春病み記録

大前提

突然、オヤジがどこかにしまってあった俺の布ベルトを持ってきて、「これどうすんだ？カビ臭いぞ。まだ使うのか？」って若干不機嫌そうな感じで言ってきたので、ちょっと考えた後「んー、使うかも知れんから取っといて」と答えた。

そうしたら、「自分で何とかしろ」とベルトをテーブルに置いたので、とりあえず邪魔にならないよう玄関のどこかにぶら下げようと場所を探してウロウロして、適当に引っかけようとした。

途端、それに気付いたオヤジが「カビてるんだから洗えよ！他の物にまでカビが移るだろうが！」とキレた。

「じゃあどうすりゃいいんだよ」と言葉を返すと、「それが人に物を頼む態度か!」と怒鳴り、もう何も言う気が失せた。

「自分で何とかしろ」と言った癖に「お願いする態度じゃない」という矛盾。

結局自分で洗ったが、もう言い争ってる時点で自傷したくてたまえらなくて、ベルトを洗い終わったら即ざくざく。

昼時だったので、自傷直後に血を拭こうとしてオカンに気付かれ(幸い、カッターは没収されなかった)、「あー!もう!お父さーん、またやったー」とオヤジに報告。

オヤジは「外科行ってこい」とか言ってて、自分のせいだなんて微塵も思っちゃいない。

実際、数が多いだけで傷自体は深くないのに、それを知ろうともしないのだから、こいつは本当に精神疾患の患者に対する知識がないのだろう。

オカンには「それで何か楽になるの？」と聞かれたが、まあ少しはイライラがおさまったような気がする。

オヤジは台所でオカンに「あいつは洗濯しても掃除しても感謝がない」と愚痴ったが、「仕方ないでしょ。そもそも病人だっていう大前提を忘れてるのよ、お父さんは」と返されていてちょっと笑った。