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全部壊したい
感傷に浸り過ぎてる自分に吐き気がする。
懐古が何を生むというのか。
安易に縋って中毒起こして、後で泣くの分かってる癖に。
甘える事と頼る事の違いを知ってるなら受け入れるしかないだろ。
なのに何で夢なんか見てんだよ。
現実から目を逸らして、それで手が届くとでも?
綺麗事にもなれない妄想なら、いっそ捨ててしまえ。
語るだけなら酔っ払いでも出来る。
やらなきゃいけない「義務」を果たせてもいないのに、自分の「理想」なんか追い掛けんなよ。
だから今まで何一つ残らなかったんだろ。
…ほら、手にあるのは砂礫と化した夢の残骸だけ。
まだ腕を伸ばすなら、潔く切り捨ててやるよ。
色鮮やかな絶望の涙。
傷跡が闇に溶けるまで、幾度も刻んで踏み潰す。
…鬱陶しいんだよ。




