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通勤
最近、逆光の日差しが眩しくなってきた。
冬用の上着を薄手のパーカーに衣替えして、いつもの交差点で信号が青に変わるのを待つ。
平日の朝は出勤の車が切れ目なく行き交い、その隙間を縫うようにして駅へと向かう自転車は、あちこちで小さな風を起こして去っていく。
うんと細めた目で青信号を確認して横断歩道を渡り、後から続く人々に抜かされながらガードレールの内側へ入り込むと、いつものように時間を確認する。
この交差点を渡れば、職場まではあと五分もかからない。
よし、今日もいつもと同じ時間に着きそうだ。
職場に着くと、すでに出勤している数人が談笑していて、とりあえず「おはようございます」と挨拶しながらカバンを置いて支度する。
さて、今日は時間通りに作業が終えられるように頑張ろう。




