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病名、変わりました。

一月程前、オヤジ同伴で病院に行った時に、オヤジが「(こいつの)病名は何ですか?」と担当医に聞いた。

自分では躁鬱病だと思っていたが、担当医が「病名か・・・そうですねー・・・うーん・・・強いて言うなら、人格障害かなー?」と言ったので、今でもちょっと困惑している。


以前書いて貰った診断書の病名欄には「躁鬱病」「病適応障害」とあったし、処方薬がマイナー、メジャー、ムードスタビライザーと全部盛りなので、てっきり躁鬱病だと思っていたのだ。

ついでに言うと、薬の副作用を抑える為の薬と、当然ながら睡眠薬もある。

他人から見れば「薬漬け」と言われるだけの量を飲んでいるのかも知れないが、本人にその自覚はない。

例え手が小刻みに震えていても。


自分の状態を把握しようとして、自分の感情を切り離して俯瞰する癖は、いつの間にか身に付いていた。

やり場のない憤りを抑え込むには、まず感情を細かくバラバラにして、それから一つずつ感情を殺していくのが手っ取り早くて確実だ。

最近は感情を切り離すのに時間が掛かって、俗に言う「キレやすい」状態になってはいるが、これは皆が普通にやっている事なんだと思っていたら、担当医の反応を見ると、どうやら違うらしい。

診察室に入る時には完全にスイッチが入って、感情は理性に分解されている。

実際に、担当医から「感情が読み取りにくい」と言われた事もある。

そんな事を言われても、的確に自分の精神状態を報告しなければ治療に繋がらないし、そう考えるとどうしても無意識に乖離してしまう。

それでも、以前よりは表情に変化が出てきたらしいので、単純に緊張しているだけだったのかも知れない。


「人格障害」という仮の病名をぶら下げて、煩わしい人間関係を鬱陶しく思いながら、今日もずるずる生きていく。

生きるのも死ぬのも同じくらいに面倒くさいから、惰性で呼吸を繰り返して一日をやり過ごす。

吐き出すべき感情が何なのか、それを考える事も放棄して。

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