自分の恋バナをする日なんて来ないと思っていた頃が確かに僕にもありました
作者はヤンデレ好きです。あの求めてくる感じがいいですよね~
最近幼馴染に勉強を教えてもらっている俺は今日の勉強が終わった後、白浜さんにどう告白すればいいか俺が知ってる1番モテる人物、すなわち幼馴染の天野雪に相談してみた。
「なあモテるお前に相談したいことがあるんだけどさ。」
「へえ、万年モテない男の代表のあんたがなんの話?」
相変わらずひどい言い方だ。しかし俺だってこの告白が成功すれば晴れてリア充の仲間入り、彼女持ちになれるのだ。多少きつい言い方は我慢しなければならない。
「同じクラスに白浜さんって女子がいるじゃん?」
「ああ、あのちょっと目立たない子?」
ちなみに天野雪と白浜さんと俺は同じクラスだ。実は彼女の人気が強すぎて男子の目があまり他の女子にいかない感じがちょっとあると思う。だって白浜さんは目立たないタイプだけど結構見た目のレベルは高い。それなのに男子の間で白浜さんの話題は出た試しが無い。
まあ長身長髪モデル体系の天野雪とは違ったタイプの美少女だし本人も引っ込み思案な性格だからあまり男子の目にもとまらないのかもしれない。それでも俺は白浜さんがいつ俺以外の男子に声をかけられかヒヤヒヤしている。
「そうそう、実は俺あの子に告白しようと思ってるんだ。それで恋愛経験豊富なお前にどんな風に告白すれば良さそうか聞きたくてね。」
ついに言ってしまった。自分の好きな人をばらすのがこんなに恥ずかしいとは。恋バナなんてしたことない俺の顔がどんどん赤くなってくように感じる。
それでも俺は天野なら誰にもこの話をばらさないと確信している。こいつは俺限定できつい性格だが本当に人が嫌がることはやらないやつだ。
これで告白まで1歩近づいた。そう思った俺だったが彼女の反応はちょっと予想外だった。
「………え?なに言ってんの?」
彼女は本当にわけが分からないといったような困惑した顔でこっちを見ていた。
正直出鼻をくじかれたように感じた。彼女は最初は笑ってもしょうがないなぁとちゃんと相談に乗ってくれる、それが俺の予想した反応だった。(ちなみになぜ最初に笑われるかと思ったかというと、俺が彼女に恋愛の相談をしたことなど今まで1度も無かったため、からかわれると思ったからだ。)
俺に好きな人ができるなんて思ってもいなかったのか、彼女は話しがつかめてないようだ。これは恥ずかしいけれどをもう1度説明しなければならないのか。
「だーかーらー、同じクラスの白浜さんのことが好きになって告白したいから、お前に相談に乗ってほしいんだよ。」
「うそ、そんなわけない。」
2度目の恥ずかしい話はあっさり否定された。
「だって教室であんたと白浜さんが話をしているとこなんて見たことないし2人に接点なんてないじゃない。」
「そりゃ教室では話すことはないけど昼休みにはよく図書室で話してるんだよ。それに同じ図書委員なんだから接点がないこともないだろ。話をしていくうちにお互いかなり仲良くなったと思うから思い切って告白しようと思ったわけ。」
そう言うと2人の接点が理解できたのか少し考えるそぶりを見せた天野雪だったが、次にとんでもないことを言い出した。
「それじゃあんた騙されてるのよ。」
「………は?」
なにを言い出すんだこいつは?
「だってあの子結構かわいいじゃない、あんたみたいなブサイクまともに相手するわけないでしょ?
適当にからかわれて遊ばれてるのよ。」
「いやお前はあんまりしゃべってないから知らないんだろうけど白浜さんはそんな人じゃないよ。」
「そういう演技に決まってるじゃない。ああいうおとなしそうな子に限って実は性格悪いんだから。残念だったわね。」
そう言ってこいつはクスクス笑い出した。無償にむかついた。なんでそんなことを言うのだろう。こいつに相談すれば告白がうまくいくんじゃないかと思っていた自分が馬鹿みたいに思える。
「どうせ昼休みに話すって言ってもあんたからなんでしょ?白浜さんの方はうざがってると思うわよ。仲良くなったと思ってるのもあんただけじゃないの?」
まだ言ってくる。確かにいつも話しかけるのは俺からだが白浜さんが嫌がってるようには感じられないむしろ最近は笑顔で接してくれるんだ。あの笑顔も嘘だなんて俺は信じない。
「そうかい、それじゃ相談には乗ってくれないんだな。」
「だーかーらー、告白なんてするだけ無駄なの。あんた自分がどんな顔してるか鏡で見たことある?
あんたみたいなブサイクでなんの取り柄もないやつと普通に話してあげる女子なんて私だけよ。無駄なことをしても自分が傷つくだけ。」
「わかった、もういいよ。」
もううんざりだ。こいつは前から俺に対してはきついやつだったけどこんなに嫌なやつだとは思わなかった。
「そうそう、それでいいの。からかわれてるってわかったなら告白なんてやめてそんな子とはもう話さないようにしなさい。」
あいつはなんか勘違いしてるようだが俺は告白自体をやめる気は毛頭ない。
こうなったら自分1人で告白に成功してみせる。自分の家に帰った俺はその夜一晩中告白の言葉を考え明日決行することに決めた。