高校生になったら友達増えると思っていた頃が確かに僕にもありました
始めましてSinです。
もともと途中まで連載している作品ではありますが、初めての作品ですので悪い点やアドバイスなどがございましたらぜひご指摘もらいたいです。
俺の名前は「桜木瞬」、ゲーム好きのただの高校1年生だ。
なぜわざわざ「ただの高校生1年生」と言ったかというと俺の周りに「ただものではない高校生1年生」が居るからだ。具体的に言うと俺の隣の家に住んでる、いわゆる幼馴染というやつだ。
名前は「天野雪」、こいつのどこがただものではないのかというと、まず顔がきれいだ。かわいいというよりきれい系、大人っぽい顔立ちをしていてその美しさは高校内でも際立っている誰もが疑わぬ美少女だ。
次に文武両道を地でいってることも説明しなければならないだろう。彼女は恐ろしく才能に恵まれている人物だ。勉強に集中すれば学校の教科書など3日で完璧に理解する、スポーツにはまれば少しの練習で圧倒的な記録を叩きだす。勉強と運動、どちらか1つの分野だけでも天才と言われるにふさわしい能力を彼女は両方有しているのだ。
そして…友達も多い、友達が少ないコミュ障ぼっちの俺とは大違い。明るく人見知りしない彼女は男女問わず人気がありその才能を妬まれることもほとんど無かった。
こんなやつが幼馴染の俺の気持ちが分かるかい?なにをやってもあいつには勝てない。友達が少ない俺に比べていつもみんなの中心にいるあいつ。どんどん自分が嫌になっていった。
そんな風にあいつとなにかを比べてしまうのが嫌になった俺は中学の途中からあいつをなるべく避けるようになった。あいつも気付いてはいただろうがとくに何か言ってくるわけでもなくどんどん幼馴染としての距離が離れていった。
それでも親同士はすごく仲が良かったため家族同士で集まって会ったりすることもあったがそんな時あいつから聞くのは大抵が、誰々に告白されたけどあんたはどう?だのという自慢と嫌味、こっちがもてないのを知ってて言ってるのだから嫌なやつだ。(あいつは性格がいいでまかり通ってるが幼馴染の俺には素がでる。)
そんなわけで彼女ともあまり会わなくなったまま迎えた高校受験。合格発表を高校まで見に行った俺はそこに見知った顔があり驚いた。
彼女だ。同じ高校を受験していたらしいが全然知らなかった。さっきも言ったように彼女は才女なので絶対有名進学校に進むと思っていたからだ。なぜか聞いてみたら陸上部が強いから興味をもったらしい、強いって言っても県大会常連という程度、全国大会レベルの彼女がなぜ…。
そして現在に至る。まあとにかく始まった高校生生活、彼女はあっという間に友達グループの中心になって俺も少ないながらなんとか友達もできた。彼女はやっぱり人気があり入学したばかりなのにもう何回か告白されたそうだ。そんな噂を聞きながら俺は内心よくやるなと思っていた。だって俺は彼女とはあいかわらず素で接しているがかなりきついこと言われるんだぜ。言い返してもあいつには結局かなわず負ける、最後には
「これだからモテない男は」
なんて言われるんだ。最近の口癖らしく全然関係ない話でもぶっこんで来る。
とまあ最近は高校生になりぐっと難しくなった勉強を教えてくれると言うのでよくあいつの家に呼ばれて(あいつは教師より教えるのがうまい)話す機会自体は前より増えたと思う。
高校生になり3ヶ月ぐらいして俺に好きな人ができた。同じクラスの「白浜凛」さんだ。
ぼっちな俺は昼休みは図書室で1人で本を読んでいる。そこでやっぱりいつも同じように1人で本を読んでる白浜さんがなんとなく目に付くようになった。たまたま同じクラスで同じ図書委員彼女に思いきって声をかけてみて好きな本の話をお互いしていくうちに仲良くなった。天野雪以外の女子とまともに話したことの無い俺は最初とても緊張していたがそのうち彼女と話しをするのがとても楽しくなった。
彼女は女子の中でも身長は低いほうでありその気弱な性格とあいまってなんとなく守ってあげたくなるような可愛らしい女の子だ。髪はショートで目はクリッとしていてまるで天野雪とは対象的だ。
好きだという気持ちを自覚してからは話をするたびさらに好きになりついに告白しようと決めた。
しかし女性と話す経験が極端に少ない俺はどう告白するか散々悩み、ついには俺が知っている人物で1番モテるやつに相談することにした。