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詩集 手をつないだら

まやかし

作者: 小日向冬子

考えては

いけないんだよ


誰かのためだけに

生きて行こうだなんて


それがたとえ

わが子でも



それは

美しい防波堤だ


この子のためにと言いさえすれば

許されてしまう

何もかも


もう誰も

君を責めたりしないだろう

そう

君自身さえも


その向こう側で

空っぽの自我がゆっくりと腐っていくことに

気がつきもしないで



それは

体のいい自己放棄だ


だってもう

悩まなくてもすむのだから


何のために生きるのか

自分が何を求めているのか


迷う余地さえない場所へ

丸ごと身を投げてしまえばいい


けれどそれは

愛のようでいて

決して愛ではないのだよ


自分自身を愛せないものに

誰かを愛することなどできない



だから君

僕は決して考えない


自分ではない誰かのために

この身を捧げようだなんて

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― 新着の感想 ―
[一言] 自分を殺せば、無理が出る。無理が出れば軋みが生まれる。軋みからは、諍いが生まる。人と人が寄れば、諍いは避けられないのかも知れない。そんなことを思う私という人間は、やっぱり我がままで自分勝手で…
[一言] あなたのためという言葉には、あなたのせいという裏側がありますよね。情けは人のためならず(自らのためである)って昔から言うのに、すっかりわすれてる大人が多いような気がします。淡々としていて、い…
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