3ー38
テスト返却しかすることのないこの一週間。与えられた宿題を見て溜め息しか出ない。
私はこれらをコツコツこなして最終日は1日寝ているのだろうな。コミケ疲れと言うやつだ。
「ってことでさ……」
「まぁ、拒否させてもらうよ。ってか私の思考に入るなと言ってるだろ!」
ともちゃんときたら相変わらずである。私の悩みなんかお見通しと言わんばかりに思案を遮る。
「とりあえず離れないか?」
背中から抱かれ、窓からの光と相まってこれが小説なら百合まっしぐらなシチュエーションだろうなと卑猥に思考が変わった所で彼女は言葉を発する。
「シャンプー変えた?」
「お、そうそう」
「前の方が好きだなー」
「お前は私の彼氏か!」
ジタバタと暴れていると、本日日直のちーちゃんがジト目で私たちに宿題配るの手伝えと訴えてくる。なんとも不運な女だろうか。
「とりあえずそこのカップル。黙って手伝え!」
「しょうがないなー」
「え!? ホントに!?」
「だが、断る!」
ドヤ顔を決める。いや、決まった。素晴らしい。
「ひどい……」
瞳を輝かせるとしゃっくりを発し始める。
「ご、ごめんごめん!」
私たちは直ぐに立ち上がってそれらに手を付ける。
国語の宿題と言うものは小学生から微塵とも変わらない。読書感想文だとか、漢字練習だとか、それはもう何もかも。教卓に置かれたそれを眺めて、また溜め息を吐く。
「どうしたの? 溜め息なんか吐いて。なに? ラブラブな2人の邪魔したのそんなに怒ってるの?」
「待って、違うから」
「そうですよね……、ボクなんて……どうせ……、捨てられるんですよ!」
「おいこら! 私が浮気症の女みたく言うんじゃない!」
「え?」
もう、やってけないわ。私は溜め息を吐く。