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虹の先  作者: kazuha
塞翁之馬
99/211

3ー38

 テスト返却しかすることのないこの一週間。与えられた宿題を見て溜め息しか出ない。

 私はこれらをコツコツこなして最終日は1日寝ているのだろうな。コミケ疲れと言うやつだ。

「ってことでさ……」

「まぁ、拒否させてもらうよ。ってか私の思考に入るなと言ってるだろ!」

 ともちゃんときたら相変わらずである。私の悩みなんかお見通しと言わんばかりに思案を遮る。

「とりあえず離れないか?」

 背中から抱かれ、窓からの光と相まってこれが小説なら百合まっしぐらなシチュエーションだろうなと卑猥に思考が変わった所で彼女は言葉を発する。

「シャンプー変えた?」

「お、そうそう」

「前の方が好きだなー」

「お前は私の彼氏か!」

 ジタバタと暴れていると、本日日直のちーちゃんがジト目で私たちに宿題配るの手伝えと訴えてくる。なんとも不運な女だろうか。

「とりあえずそこのカップル。黙って手伝え!」

「しょうがないなー」

「え!? ホントに!?」

「だが、断る!」

 ドヤ顔を決める。いや、決まった。素晴らしい。

「ひどい……」

 瞳を輝かせるとしゃっくりを発し始める。

「ご、ごめんごめん!」

 私たちは直ぐに立ち上がってそれらに手を付ける。

 国語の宿題と言うものは小学生から微塵とも変わらない。読書感想文だとか、漢字練習だとか、それはもう何もかも。教卓に置かれたそれを眺めて、また溜め息を吐く。

「どうしたの? 溜め息なんか吐いて。なに? ラブラブな2人の邪魔したのそんなに怒ってるの?」

「待って、違うから」

「そうですよね……、ボクなんて……どうせ……、捨てられるんですよ!」

「おいこら! 私が浮気症の女みたく言うんじゃない!」

「え?」

 もう、やってけないわ。私は溜め息を吐く。

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