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虹の先  作者: kazuha
塞翁之馬
65/211

3ー4

「どうしたの! 私のタコさんウインナーになにがあったの!?」

 ともちゃんの混乱は私にまで乗り移った。

「え、そんなはずは……」

 恐る恐る食べる。口に入れた瞬間に唾液が溢れるように湧き出し、舌はナメクジのように小さく萎む。

「しょっぱっ」

 自分で作っていたお弁当。はじめの頃は卵焼きを焦がすなどあったが、こんな失敗なんて最早初めてに等しかった。

「まぁ、食べられなくもないけどね」

 動揺している。今にも泣き出しそうなほどショックだった。しかし、ともちゃんはそれをなかったかのように、一気にタコさんウインナーを食べる。

「うん、ご飯が進む」

 そう言うともちゃんの主食はメロンパンだった。

「ご、ごめん」

「いいのいいのー。こんなんでも美味しいからさ」

 そう言いながらペットボトルのお茶を半分くらい飲む。

「言ってることとやってることが一切噛み合ってないですよー」

「うるさい! 草食動物にはわからないことなんだよー」

「野菜は大切なのだ」

 そう言って人参を食べ始めた。

「まぁ、たまにはあるよねー。失敗なんて」

「いや、失敗じゃない。これはご飯を食べるためだけに作られたものだ!」

「だから、ともちゃんの主食はメロンパンじゃん」

「あ、ホントだ」

 バカなのかもう。そう思うと思わず笑ってしまった。なんかもう、面白かった。

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