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虹の先  作者: kazuha
塞翁之馬
63/211

3ー2

 不幸は望まなかった。それは事実。途中で計画を変えただけ。元々来るはずのない人が来たのだから仕方なかった。

「そう、香川くんの未練を断ち切るためにも早い方がいいと思った。逆も然りだけど。2人ともまだお互いを気にしてるから」

「それはなんでだと思う?」

「え?」

「その2人がお互いを気にするのはなんでだと思う?」

 覆い被さるように飛んでくる質問。あやふやな自分の気持ちに整理を入れていく。

「別れた相手だし気まずく思っているんじゃないかなと」

「もし、まだお互いが好きだったら?」

「それは……ないから……」

「もしだよ」

 そんなこと言われても直ぐに考えつくことではない。思考回路では小説のキャラが勝手に動いてくれるけど、実在する人となると動かない事が相当数存在する。性格を確実に把握できていないのだから当たり前なのだけど。

「想像できない」

「まぁ、それなら仕方ないね。もう少し考えてみなよ。先入観や気分で適当な行動するなんてよくないからさ」

 風が強く吹く。トリートメントでつやつやと光る髪の毛が無造作にも遊ばれる。

「風邪引くなよ」

「夏よ? そんなことあるわけないじゃない」

「夏風邪ほど辛いものはないよ」

「そんなやわくない」

「気を抜いてるとなるよ」

「だから、平気だって」

 その心配がウザくて窓辺から降りる。そして霧ガラスの窓をバンと閉める。

 温かかったはずのココアは少しだけぬるくなっていた。

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