2ー47
初めてと言っていいだろう。真っ直ぐ私を見て内容を語り出した。
「お前の言ってること、ほとんど間違いじゃない。絵理の為に本気でやってきたサッカーをやめた。それを、否定されて嫌になった。その通りだよ」
頂上を過ぎたようだ。感覚全てから落ちると言うものを感じている。
「でも、好きだからってその気持ちを伝える事が全てじゃないって思ってる。最終的にオレが考えてたのって絵理の幸せだから、ホントに好きな相手と上手くやっていって欲しいって思う」
所々恥ずかしそうに口ごもる。
「だから、余計なお世話なんだよ。オレがどうとか、絵理がどうとか正直どうでもいい。上っ面しか知らない奴に何言われてもなんとも思わない。だけどオレの考え方から離れた事をやられると邪魔でしかない」
邪魔……。そうか、手助けのつもりが度を越していたのか。そう考えると申し訳なさでいっぱいになった。
「まぁいいんだけどさ。オレの事考えてやってくれてるっての、少しは伝わるし。だから尚更お節介に思う。ほっといてくれって。オレたちはオレたちの答えを出したのにそこに横槍を入れられたらさ」
「ごめんなさい。私、そんなつもりじゃ……」
「兎に角だ、そのことでそんなに関わらないでくれ。別に友達としては楽しいと思うしさ」
ニコッと笑う彼の笑顔は、私が想像していたかのように曇のある笑顔だった。
「ホントに、後悔しない?」
「あぁ」
彼は外を見る。釣られて私も見ると空は意外にも多くの星たちが祝福を歓迎しているように輝いていた。
それが意味することは案外私も驚くのであった。