表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の先  作者: kazuha
青天の霹靂
59/211

2ー46

「やめろよ」

 鋭い口調。それを諸共せずに物語を進める。

「半ば強引に別れられた。彼女の為と思って辞めたのに理解されない。彼女の為に勇気を振り絞って未来を捨てたのに。そういった憎悪が学校の不良グループへと導いた。違うかな? そして今思うんでしょうね。アイツのせいで、落ちこぼれたって」

「やめろっつってんだろ!!」

 押し倒される。不意の攻撃に私は身構えもできず両手を封じられてマウントを取られる。

「お前になにがわかる! 勝手に人のことを最低呼ばわりしておいて、何がわかるってんだよ!」

「最低じゃんか。結局のところ何もかも捨てた生活になった訳だ。底から自分の希望へと戻らなかった。自分が1番わかってるよね? ホントはまだ間に合ったかもしれないのに、君は戻らなかった。プライド? 羞恥? わからないけど、全てを諦めたよね」

「ちげぇ! 諦めてなんかいねぇ!」

「なら、なんで好きなのにその事伝えないでただ見守ってるだけなの! それじゃ絵理ちゃんが可哀想じゃん!」

 悲しい表情を浮かべる。そして、拘束していた手を離して私に背を向けた。

 語句を強くした事に反省をしながら次の言葉を紡ぎ始める。

「別に、私の事じゃないし、最近出会ったばかりの同級生に対して説教を垂れる程偉くもなければ生きてもないけど、女としての私の意見は聴いて欲しいかな」

 そろそろ頂上であった。観覧車の頂上では色々な言い伝えがあったりする。告白すれば叶うとか、キスをすれば永遠に結ばれるとか。それは単なる祈願に等しいのだが、最早暗黙の了解の様に誰も否定はしない。きっと先に行った絵理ちゃんは最後の分かれ道に達していることだろう。

「全部オレが悪いんだ」

 座り直した香川くんがとうとう重たい口を開いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ