2ー40
いや、驚いた。絵理ちゃんがあんなに食べるなんて……。
そう驚いてレストランを出る私のお腹は大変破裂しそうである。
レストランはバイキング型式になっていたので好きなだけ食べれた。メインディッシュのステーキなんてそれはもう美味だった。そして何よりデザートであるケーキの多さ、更には杏仁豆腐やゼリー、更にはフルーツポンチまでありそれらを一通り取ったのはよかったが、ケーキを半分食べたところで胃のキャパシティを超えた。
その後は大人しく男子に渡したが、どうやらステーキを食べ過ぎたらしくそこまで食べてはくれず、大量に取った杏仁豆腐だけが片付かなかった。
それをペロリといったのは他でもない絵理ちゃんである。ここまで男子に負けず劣らずステーキを食い散らかしていて、尚且つ私と同等のデザートを食べた挙句に大量の杏仁豆腐を平らげるなんて……。
「なんでそんなに痩せてるの?」
「いやー、これでもお腹凄いよ? ほら! 妊娠3ヶ月ー!」
「誰との子ですか?」
「それはねー……」
うふふと笑うと森谷くんをチラッと見る。そして恥ずかしそうにキャーと顔を振る。なんとも素晴らしい想像妊娠である。
そんなこんなしていると午後も3時が近くなっていた。閉園は6時。回っていない所なんて沢山ある。
「どこ行く?」
「ねぇ、これ行きたい」
香川くんの開いた地図を覗きみて私は指をさした。それは、水上ボートである。