2ー39
清め終わると肩が軽くなった様に感じる。本当に憑いていたのかと思うくらいすんなりと緊張が取れた。
それよりも頼んで直ぐにお塩が出てきたことには驚きである。よくあることなのだろうかと考えると、やはり類は友を呼ぶと言う奴かと結論づけた。
冷静な思考に戻ると、賑やかな原因がわかった。どうやらゴールはお土産とゲームセンターが並列されていてその音が賑やかにさせていた。
その中には当然の様にお化け屋敷に行ってきましたプリクラがある。私がそれをじっと眺めていると森谷くんがようやく口を開ける。
「今撮りたくない」
残念だ。記念にと思って提案しようとしたが、する前から否定されては少し腹が立つ。
「そ、それはしょうがないわよね。お土産見て回ってからでもいいし」
香川くんが首を大きく縦に振る。どうやら私以外、子どもの幽霊に怖気付いているようだ。
お土産と言っても並んでいるのは、遊園地に行ってきましたよと言わんばかりに遊園地の名前が大きく書かれた多種多様なお菓子達だった。他にもキーホルダーや刀のミニチュア模型などよくあるものだ。
それらを見て面白いなどとは思わず、更には今買っても荷物が増えるだけだと冷やかしを決め込んでいる。
ふらふらと歩いているといい匂いが鼻をかすめる。これは、なんとも美味しそうなお肉の焼ける匂いだ。
すると忘れていたかのように腹の虫が鳴る。時刻を気にすれば既に午後も1時間を過ぎている。1度意識を失ってからの時間感覚が今さらになって戻ってきた。
「お腹空いた」
「あ、それオレも」
森谷くんが直ぐに応答して微笑む。
「そろそろご飯にしようか」
と、他のふたりに話しかける予定だったのだろうが、既にふたりは私たちの側には居なかった。
「あれ?」
いつの間にと思えどお土産に意識を向けていてその隙なんかはいつでもあった。これは不覚にも、見失ってしまったようだ。
「こっち! こっち!」
遠くで聞き覚えのある声がすると思えば、既に長蛇の列であるレストランの列にいた。
「そろそろ入っちゃうから早く!」
「置いてくぞ」
私たちは顔を見合わせてこの状況に笑った。相変わらずあのふたりは似ている。羨ましいくらいに。
それなのになんであんなに仲が悪いのか、列に入ろうと走り出した時に頭を過ぎった。