1ー5
なんで検索しているのかというと、まぁ雰囲気である。こんな結婚式場でこんなことありました、なんて小出しものの内容考えてそれから物語を紡いでいこうと考えている。プロット送れとうるさいけど、書くのは私だ。ゆっくりやらせてくれ。
しかしながら、いいところが見つからない。思い描いているのと解離でもあるのだろうか。もっとこう、輝いて見えるような所だと思っていたけど。
そんなこと考えていたら後方で2回ノックの様な音が聞こえた。私は少し無視をして、切りのいいところで立ち上がる。懲りない人だ。
霧ガラスの窓。それを開けるとその先には窓辺に座って本を読んでいる男性が目の前にいた。
「執筆の邪魔だ」
「いいじゃん、付き合ってよ」
飯田紳助、その人である。部活の指導か髪はそこまで長くないが、盛り方が上品にされている、どちらかというと女性的な顔立ちの男。幼馴染みである。
「部活は?」
「大会終わったばっかりだし休みだよ」
「腑抜けるよ」
「休息は必要だよ」
「それ、このメールの主に伝えてよ」
「オレも楽しみにしてるんだけどな」
「ってか、SNSかなんかで先読みしたの言ったでしょ」
「ダメだった?」
「ダメに決まってるでしょ。秘密にしてるんだから」
「ごめん。次は気をつけるよ」