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先頭から悲鳴が聞こえる。行き止まりというよりも次は階段だった。薄暗い中、階段には無数の人らしき物が横たわっている。それにより道は狭くなっている。
進むことを躊躇している3人を置いて、私が先頭になり階段を登っていく。階段を登ると直ぐに近くの部屋に入る必要がある様だった。3人がしっかりと着いてきている事を確認して扉を開ける。
この部屋には仕切りで隠されているベットが沢山ある。その中を通って奥の扉からでなければならないようだ。私は気にせず進む。
すると手やら足やら頭やらが仕切りから出てきて私たちを襲う。それらを上手く避けながら、触られながら、足早にこの場所を抜ける。するとすぐそばにさっきの髪の長い女性が立っていた。
「うふふふ」
おっとこれはマズイやつだ。
「ギャァ!!!!」
走る。やはり追っかけてくる様で、むしろ足が速い。近くの階段を駆け上がり、そのまま進む。また行き止まりがあり近くの扉に勢い良く入る。
今度は子供部屋のようだ。オモチャが散らかっていてファンシーな部屋の模様や飾りから何やら嫌な予感は出来た。
「ねぇ、遊ぼう?」
その中に1人佇む少女がいた。
「アイス食べたいな」
今の3人からすれば恐怖の対象でしかなかった。この部屋もほぼ素通りに出ていく。でも、あの娘どこかで見たような……。
「もぅ、休ませてくれよ!」
「もうむり、帰りたい」
疲れても口の達者な2人だ。森谷くんはもうしゃべる気力さえなさそうだけど。
「もうちょっとだから頑張るよ。知らないけどさ」
適当な事を抜かすと先にある階段を登った。




