2ー34
「怖いよー」
あら、泣き出してしまいましたね。
「ほら、まだ始まったばかりだよ」
と手を差し伸べ立たせる。先に行きましょうか。と、その前に右側の壁に血文字らしきもので文章がある。
アブナイ
イクナ
ススムナ
タイヘン
ベットニ
タクサン
イル
なるほどなるほど。アイス食べたいか。ふざけているな。
こんな内容無視して先へ進む。進むしかないのだから。
また同じように行き止まりが出てきた。誰が行くとも言わずに私が扉を開ける。今度は手術室だろうか。真ん中にそれらしきベットの様な物がライトアップされている。そこに横たわっているのは髪の長い女性だった。マリエさんだろうか。近づこうとする私を3人が必死に引き止め大回りにこの部屋を出ることにする。
うふふ。
真ん中辺りでその女性が笑い始める。不気味な笑いに私も少しゾクっとする。人間の怨念みたいな雰囲気はさすがに恐ろしいと感じる。
しかし特に動くこともなく部屋から出る。扉を閉めると今度は目の前に血文字がある。
み
た
な
ドン!
後方の扉が強く鳴る。振り向けばさっきの女性が扉を叩いて私たちを睨んでいた。
「きゃぁ!!」
「うわ!!」
先頭たって走り出したのは香川くんと絵理ちゃんだった。その後森谷くんも続く。まぁマリエさんに追いかけられたら走らなければいけないらしいので、私も疲れない程度に走った。