表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の先  作者: kazuha
青天の霹靂
36/211

2ー23

 とてつもなく賑やかだ。ついさっき痛み止めを飲んだが頭痛が辛い。子どもたちの楽しむ声、大音量の音楽、空から落ちてくる絶叫、何もかもが痛い。

 私は指定された時間の30分前に来ていた。いや、これは待った? がやりたいわけではなく、待たせるのが悪いからなんなら早めに来た方がいいよなとか考えた挙句に、すみません楽しみで早起きしました。

 木の陰で待ちながら自販機で買った清涼飲料水をちまちまと飲んでいた。炎天下になる様な予感さえある日差しを恨めしく思う。なんだそんなに元気なのかと。

 そんなこんな待ち合わせの時間の10分前に森谷くんと香川くんが来た。

「おはよう」

「もしかして待った?」

「いや、私も今来たところ」

 お決まりのセリフを呟く。にしても知子の奴は相変わらず時間に来ない。しかも自分で決めたのにも関わらず30分とか余裕で遅れやがるから厄介だ。

「楽しみだね」

「オレなんか寝れなかったし」

「小学生かよ」

「こういう時って楽しみでさ、寝れないし早く起きちゃわない?」

 ぎくっ! いや、私は早く寝た。

「僕はないね」

「いいなー森谷はー」

 飲み物を飲む。温く甘いものが喉を通り体全体に行き渡る、そんなイメージをしてふと目の前の女性に目を向けた。

「ごめん。待った!?」

 黒髪ロング、ふりふりのワンピースはアイボリーの様に淡い色をしていた。バッグも同じ色で手に持ち、ヒールは決して高いものではなかった。

 一瞬誰だかわからなかった。それもそうだ。声と見た目が明らかに違ったからだ。

 その答えが頭で整理出来た時に、私は口につけていたものを吹き出し、むせて咳き込む。

「大丈夫!?」

 少しして落ち着いたところで、問わなければならないことが多く頭を過る。

「どうして。どうして来たの? どうして?」

 そう聞いた瞬間、知子からメールが来る。私はそのままそれを黙読し始める。

「あの、私もよくわからないんだけど」

 内容はこうだ。ごめーん! あれ来ちゃったからバトンタッチしといた! 後はよろしく! お土産はお菓子がいいなー、だ。よし、盛大に無視といこう。既読っと。

「ごめん、」

 私はこの状態を詳しく説明する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ