2ー17
きっとそういうこと。どういうことだろう。別に彼がサッカーを辞めた所で真面目に生きることを選んだかくらいにしか思わないけど、何故無駄に私のためという意味深な言葉をつぶやけるのか。ましてや例え話なのにだ。
そんなこんなイライラしている私の今日の気分はお腹いたいである。憂鬱だ。なんたって昨日のことをまず謝らなければならない。タイミングを図りながらとりあえず席にカバンを置き、席に座る。
「昨日はなんかごめん」
先に彼から声をかけてきた。私からいく手間が省けて助かる。
「いや、こっちこそ。あんなことになるなんて思ってなかったし」
背もたれに右肘を乗せて横向きに座る。
「また、日を改めてお願いしてもいいかな?」
「え? えっと……」
嫌だとは言えない。むしろ、仕切り直ししたい気もある。しかし、また大事たって行うとなると今回みたいにならないとは言い切れない。だからといって1対1はさすがに嫌だ。
「お、またやるのかいな」
どこから湧いたのかともちゃんが首を伸ばして話しに割り込んできた。
「それなら、私も入れて」
「ぜひぜひ。多いほうが楽しいしね」
「わかってらっしゃる殿方ですなー」
そう言いながら懐から色鮮やかなチケットを出す。それはよく知っている遊園地のチケットだった。
「4枚ありまっせ」
用意がいいのか何なのかわからないが、それなら絵理ちゃんを呼ばないで済む。気を悪くしないで欲しいが仕方がないだろう。
「今度も香川くんでいいかな? こういうのに付き合ってくれる友だち少なくてさ」
「もちろん、もちろん」
そういうことで今週末、遊園地に行く事になった。ってか私の意見無視か。