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虹の先  作者: kazuha
青天の霹靂
24/211

2ー11

 店内は冷房が程よく効いている。まださほど暑くないが心地よい室温になんとなく心が癒される。

 店内は意外と混んではいたが席の心配をするほどでもなく、ショーケースのケーキを眺めて何を買おうか悩んでいた。

「いいよ。みんな分払うよ」

 そう言う森谷くん。高校生の分際でよくそんなこと言えたものだと思う。と考えた後で私の長財布の中に入っている一万円札2枚がとてもおかしく思えた。

「無理しなくていいよ」

「そうそうー。早紀ちゃん金持ちなんだぞー」

 ともちゃんがそう言うとマンゴーベースのカフェラテとミルクレープを頼む。それに続いて私は冷たいカフェラテとチーズケーキを頼んで絵理ちゃんの注文を促す。

「私が払うから頼んでいいよ」

「カフェモカチョコ多めとショートケーキ」

 イライラしているのか、お礼も特になくぶつけるように注文をする。私は戸惑いを隠せないまでも財布から一万円札をさっと出す。

「イケメン会計ですね」

「苦しゅうない、ちこうよれ」

 さっと扇子を広げ仰け反る。そのジョークにともちゃんがわしゃわしゃ楽しむだけで、ピリピリしている感じが張り詰めたままだった。

 品物を受け取ると2階に広い場所があり、そこを占領する。トレーを机に置いてソファー席に迷いなく進んで座る。それに続いて女性陣はソファー席に並び、反対に男性陣が並んだ。まさにお見合いと言った感じだろうか。

「まぁ、初対面の人もいるかもしれないから、自己紹介から始めるね。僕は森谷雅美。バスケ部に入部しました」

 それに続いて私が行く。

「伊藤早紀。特に好きなことはない。部活もやってない。好きな食べ物はタコさんウインナー」

 それに反応したのは森谷くんだけだった。クスりと笑うと可愛いねと返ってきた。当たり前だ。

「秋川知子、17歳独身。菊川瑞希先生のファンです。恋人募集中」

「本気の合コンか貴様は」

「タコさんウインナーも好きです」

「好きなら作ってこいよたまには」

「いいじゃんあのくらいー」

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