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虹の先  作者: kazuha
青天の霹靂
22/211

2-9

 彼は椅子ごと窓の前に動いて窓辺に肘をつく。

「雨がすごいねー」

「こんな大雨なのに窓を開けてる人の気がしれなかったところだ」

「よく、耳を澄ませてみなよ。雨にだって鳴き声がある。それで気分がわかるじゃないか」

 言われる通りに私は目をつむり、耳を雨音に向ける。

「どんな音かな?」

「ざぁざぁ」

「それが今の早紀の気持ち」

 目を開けると彼はコーヒーを一口飲む。

「なにもむりやりくっつける必要はないよ。気持ちがざぁざぁでまとまってないのに、人の心配できる程余裕がないのにさ。先ず、自分の気持ちから整理しないと。そんなんじゃ、また小説に響くよ? いや、既にきたしてるのかな」

 そこまで言ってきゅるきゅると机の方へ向かっていった。

「ありがとう」

「あ、もしくっつけたいとホントに思うのであれば、2人っきりにさせるしかないと思うよ」

「……わかった」

 窓を閉める。ざぁざぁとしか聞こえない雨に多少苛立ちをみせていた。彼がどのように聞こえているのか知りたかった。彼の見ている世界はどうなっているのだろう。つくづく疑問に思う。

 そろそろ夕飯が出来ただろう。私はパソコンを閉じ1階へ向かった。

 どうやら今日は、炊き込みご飯のようだ。

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