6ー8
結局、結婚式には行かなかった。
後日ちーちゃんから写メなど送られてきた。
幸せそうだった。
かっこよかった。
綺麗だった。
行けばよかったなんて後悔をしても後の祭り。
むしろ、あんなもの見せられたらより結婚したくなった。
誰かいい人いないかなぁー。
私たちの秘密基地に着いた。
いや、もう私の秘密基地だろうか。
ここにある美しい一本桜は、神々しく桜吹雪を纏っている。
憂鬱とした雨なのに、ここだけは神域の様だ。
そのまま進んでいく。雲の隙間から光が差し込むのが見える。そろそろ、見えるだろう。
「ん?」
人の気配を感じた。振り返り桜の根本を見た。
「なぁーんだ。ここにいたのか」
やっぱりひょこっと顔を出した。人騒がせな作家さんだよ。
お叱りの一言でも言ってやろうかと思ったが、泣いている彼女を見てそんな気を失ってしまった。
ただただ重たい息が口から出る。今度はなんで悩んでいるのか。
私が悩み、答えを求めて木を背にした。
「ねぇ。虹の先になにがあるか知ってる?」
大きな虹だ。昔見たような、大きな大きな虹。
「え?」
それ以降は無言を通した。いや、虹を見ていたかった。
あの時の人生最大の謎を、今こそ紐解くために。
世界一美しいアーチの真ん中に学校が見えた。学校が見えるのだからオウギがその綺麗な花を遠くの私に見せつけている。
あぁ、そういうことか。
あの人は、そういうことを意味深に言う。
振り返って不思議に私を見ている彼女に笑顔を返した。
「さぁ、行こっか。風邪引いちゃうよ」
目の前のオウギは、この場を華やかにするようにまた華やかを纏った。
虹の先には何があったのか、それは人それぞれだと思います。悩める思春期の少年少女が宛のない答えを求めて進んでいく、そんなお話でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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