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虹の先  作者: kazuha
エピローグ
209/211

6ー6

 菊川瑞希さんへ。


 こうやって手紙を出すのは初めてですね。

 作品全て読ませて頂きました。それがもう読めなくなってしまうのは悲しく思いました。

 その後はどうでしょうか。噂では懐かしの出版社で忙しく働いていると聞きました。

 それを承知でこの手紙を出させて頂きました。

 もし、読まれているのであれば、ひとつだけ、悩みを聞いてください。

 聞いていただくだけで結構です。返信は望んでいません。

 私には高校時代、喧嘩別れをした友達がいます。それは、たったひとりの男性を巡るものでした。

 友達はそういうことと認めていませんでしたが……。

 今ではその男性と結婚をし、今、新たな命を授かりました。

 なので、挙式を挙げようと思います。

 それで、挙式にその友達が来てくれるかどうかが心配なのです。

 私は、あの時のことを許しています。

 友達は私のことを許してくれていますでしょうか……。

 いままで、ずっと黙っていました。全部知っていました。

 好きなことも、

 書いていることも、

 悩んでいることも。

 全部知っているのに、知られたくないことだと考えて、聞くこともしませんでした。

 しかし、それが地の果てまで落ち切ったときにそれを過ちだと感じました。

 悩んでいるのに何もしてあげられなかった。その罪悪感が今の私の全てです。

 あの時、私が友達に相談してあげられれば、今でも小説家でいたのかもしれないなんて思うとなおさらです。

 私を許してくださいますか?

 結婚式に来て、頂けますか?

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