表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の先  作者: kazuha
青天の霹靂
19/211

2-6

 お昼、逃げるようにしてちーちゃんの席にお弁当を持っていく。すると、ともちゃんはもちろんだが、何故か喋ったこともほとんどないような人がコンビニの袋を持ってさも当たり前の様に私の隣に座る。

「ねぇ、早希ちゃん」

 しかも、初っ端から下で呼ぶと言う中々な技を繰り出してくるから私は呆れる。しかも皆に聞こえるようにだ。

「さっきの、ホントにお願い! うちも連れてって!」

 急に小さな声になり、両手を合わせて本気でお願いされてる。まるで仏様にでもなったようだ。こんなお願い聞かされているのだと思うと申し訳ないけど可哀想に思う。

 私はお弁当箱を開け、その中のたこさんウインナーを箸で掴み、その子の前に出す。

「まぁまぁ、落ち着いて。まずはご飯でも食べようや」

 ちーちゃんは野菜スティックを開けて嬉しそうにニンジンを食べ始める。もひゃもひゃと食べ始めるのが視界に入り、私の顔が緩む。なんとも情けない状態だ。

 彼女は顔を上げる。明るすぎる髪の色。整えてはいるがダメージが強い髪質。化粧も濃いめで目の周りは黒くなっている。カラコンが入っているのか瞳は大きいがアンバランスなことこの上ない。制服は崩しまくっている印象である。第3ボタンまでワイシャツは開けられ、わざと見せているだろうブラジャーはゼブラ模様。ネックレスもゴテゴテとつけていて右手の薬指には小さめの指輪がハメられている。肌は白く、よくある今時の若い女性といった感じだろうか。

「えっと……」

「食べな、たこさんウインナー」

「私のたこさんウインナーを勝手に上げるんですか」

「おいともちゃん、いつ私のたこさんウインナーがあなたのものになった?」

「常に」

「もうあげないよじゃぁ」

「それは勘弁!」

「ならニンジンあげるよ!」

「え、ニンジン嫌い」

「あーげない」

 やけに賑やかだ。今日は。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ