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虹の先  作者: kazuha
虹の先
180/211

5ー31

 今日いないと思ったらこんな事をするために休んでいたのか。

 轟々とバイクを吹かす。地響きが起こっていると錯覚するほど鬱陶しく。

「伊藤早紀ちゃーん!! 早く出て来ないとぶっ壊すよ!? ひとりずつさ!!」

 ハウリングする高笑い。

 黒い集団の先頭で不気味に笑っている男。私を名指しするその狂気にも、私は案外冷静だった。

「こら!! なにをしてるんだ!!」

 国語の教師が大声を出して黒い集団に近づいていく。それが危険な行為だって誰もがわかっていた。先生を引き戻そうとあちこちの教室から声が上がっている。

「あれ? 先生じゃーん。皆心配してるよー。期待に応えなくちゃねー」

 やれ。

 拡声器を通さない声が脳裏を過ぎった。




 それは刹那の出来事だった。




 数人の黒に押し倒され、殴る蹴る。

 それが私の見た初めてのリンチというものであった。

 悲鳴。

 次に見えた先生はこちらの声にも反応せず動かなかった。

「ほらー、早く出てこないからー。伊藤早紀ちゃーん? 次は誰をやって欲しい? いいよ誰でもー。オレは早紀ちゃんがいいけどね!!」

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