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虹の先  作者: kazuha
虹の先
176/211

5ー27

 何ひとつ変わらない。いつも通りに始まる学校。

 半分眠りこけながら歩く生徒に、友だちと楽しそうに歩く生徒。音楽を聞きながら澄ましている生徒に、自転車で威嚇しながら通る生徒。

 実に変わりない。

 上履きに履き替えて階段を向いた時、

「こっち来て」

 ちーちゃんが私の手を取り、直ぐに足早に廊下を進む。これは……、いつものあの場所へ向かうのだろう。

 部室の鍵を開けて、投げ込まれる。ここも変わりないな。相変わらず物で溢れている。

「そろそろやめにしない?」

 ドアに鍵をかける彼女は正気だとは思えなかった。女と女が密室で2人だけでは今時あまり売れない。

「何が?」

 内容なんて知れているが、お決まりだろうと言葉を出す。

「いい加減に仲直りしなよって」

 これで何人目だろうか。この話をするのは。

「もう子どもじゃないんだから、できるでしょ」

「子どもじゃないから、仲直りしないんだよ」

 高圧的な目がキョトンに様変わりする。

 これは、反発を喰らうとは思っていなかったという顔だ。

「ただの喧嘩なら、こんなに長引かないよ。女と女の欲望の重なり合いは喧嘩よりも上のいざこざなんだよ」

「なに言ってるかわからない」

 でた。女性特有の不利になったらとりあえずわからないと言うやつ。ため息が出てしまう。

「とにかく、なんでもいいから仲直りしなさい」

「私からじゃなくても良くない? 彼女からでも」

「なんでもいいから謝りなさい!」

 両腕をパタパタと上下に振る小動物を見ていると、思わず和んでしまう。

「今日は締まらないね」

「誰のせいだよ!」

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