表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の先  作者: kazuha
虹の先
164/211

5ー15

「いや、本当はそのつもりだったんだよ」

 適当な相槌を打って、先を急がせる。

「親が気を利かせて家を留守にしてくれたからさ」

 そんな親は逆に嫌だと思うのは私だけだろうか。

「家に呼んで、2人でクリスマスパーティしたんだよ。それでなんやかんや楽しい時間を過ごして、さぁ寝ようってなったらさ。『変な気起こさないでね。まだダメだから』って」

 いや、そうだろ普通。あれ? そうでもないな。

「俺、そういう対象で見られてないのかなぁ」

 個人的にはそう言って置いても強引に押し倒して欲しいものだが。

 ……なんてそんなことも言えないので、

「いや、むしろ真剣に考えてるからなんじゃないかな?」

 まともに回答してみよう。今は伊藤早紀ではなく、菊川瑞希として。

「今子供ができたらって心配、自分じゃなくて、絵理ちゃんがしてるって事で違わないかな?」

「そう。俺は今子供できてもなんとかするって思ってるんだけど」

 それはそれでどうなのだ。やはりスポーツ選手はおつむが弱いのだろうか。

「私だったらね、もし香川くんの事が好きで本気で一生を過ごす覚悟をしているんだったら、今ある香川くんの未来を潰してしまうかもって考えると思うんだ」

 オウギを見上げる。今日はやけに静かだ。まるで寝ているかのように。

「あきあめつづればまたぢもゆるみ、あきぬほろほろのつゆはまだきみのほほぬらしつづけよう」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ