5ー14
新年が明けたと思えば直ぐに学校が始まる。お正月ボケの顔をしている輩がいれば、禁止されている化粧をして来た輩もいる。
どちらにしろ色々とあったのだろう。
お正月毎日どんちゃん騒ぎしていたって、
クリスマスに聖夜の1日を過ごしていたって、
なんらおかしくないのだから。
ただ、私が言えることは、
「リア充爆発しろ!!」
オウギの下で叫ぶと隣に座っていた香川くんが怯えた顔で私を見ていた。
「なにか?」
「いや、すごい大胆な呪いの掛け方だなって」
大きく溜め息を1つ。
「っで、私に用って?」
興味ないので適当に切り出すとキリッと顔を変える。
「すごく真剣な話なんだけどいいか」
ったく、これだから男は……。前置きなんてして、どんな予防線の張り方なのか。
「なによ」
「高校生で子どもできるってやばいよな」
何も口に含んでいなかったが、思いっきり噴出してしまった。
「あ、あ、あんた! まさか!?」
「ちがっ! 誤解だ、誤解!」
いきなり上がった血圧を、80過ぎたおばあちゃんの様に気にしつつも、耳を傾ける。
「いや、な。俺たちってなんやかんやあったけど、結局は長いからさ……。そろそろそういうの、あってもいいと思うんだけど」
なるほど。とは思うがそれとさっきの言葉が全く繋がらない。
「なに? それでクリスマスにでもやったの?」
ド直球な言葉に香川くんは顔を赤らめるが、どちらかというと聞いた私の方が恥ずかしい。