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5ー8
涙を流す彼女。なんで? どうして? 理解出来ずに動揺する。
「私のせいで……2人が仲悪くなったなんて思いたくないから!」
「ちょっと、待って。落ち着いて」
「私がみんなと仲良くしてから……、ずっとケンカしてるじゃん! 私が原因じゃん」
「違うって!」
「違くないじゃん!」
これは困った。物凄く勘違いをしているようだ。
「また4人でご飯食べたいの!」
また……。
ひとりで食べる事が苦ではない。
友だちと食べる事が苦ではない。
取られなくなったたこさんウインナー。前みたいに楽しく食べる事を、少なからず私も望んでいる。
それでも……。それでも……。
「絵理ちゃん。それは無理だよ」
「なんでよ……」
「絵理ちゃんのせいではないよ。……でも、あそこに戻れば、私は私じゃなくなる」
強く拳を握る。悔しさなのか、怒りなのか……。それが自然と体に表れた。
「絶対に」
絵理ちゃんに近づいて頭を優しく撫でる。
これが私の決断。
これが私のエゴ。