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虹の先  作者: kazuha
依々恋々
149/211

4ー41

 駅に着いた。人ひとりいない。運良く終電に乗り合わせ、駆け込んで乗る。

 車内には誰もいない。こんな時間にこの駅から乗る人なんて早々いないだろう。

 死にそうなくらい心臓は動く。

 靴くらい履いてくればよかった。泥だらけの足から血が薄らと流れていた。急に痛くなっても応急処置さえ出来なかった。

 我慢。

 泣き声。誰の泣き声?

 考えていることとやってることが釣り合わない。

 なんで私は泣いてるの?

 懺悔、後悔、謝罪。

 憤怒、嫉妬、愛憎。

 複雑な気持ちに押しつぶされる。どうしようもないくらいに。

 こんな状況の私を助けてくれる人は誰もいない。

 常々孤独だ。

 井の中の蛙大海を知らず。

 どんなに知ったかぶっても結局はこの狭い範囲でしか過ごせない私は、その範囲を追い出された瞬間にどこにも身寄りがない。

 依々恋々。

 それでも私はその居心地のよかった生活を懐かしむ。

 永遠が無いように、永遠のように長かったその幸せを名残惜しく求める。

 どんだけそれが悪であるか、考えもしないで。

 あのキスをまた求めても2度と叶わず、あの関係をまた求めても2度と会話もしない、そんな人生の中で私はまだ求める。

 虹の先を……。

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