4ー37
中学校の終わり。私の卒業式。まだ寒く桜なんて、蕾も出していなかった。
式が終わってから私は直ぐにあの秘密基地へ行った。なんとなく、寂しい気分だったり、もやもやした感情を整理したかった。
曇りと晴れ。まるで天使でも舞い降りているかの様に雲の合間から光がさしているのがよくわかる。
雲りと晴れ。まるでこの世界が理不尽な状況で壊れる前兆のような画像。神が問い、世界は運命の選択をさせられている。
友だちなんていない。誰も私の辛さを知らない。まだ私に小説家という逃げ道がない時、鬱憤も怒りも全て心にしまっていた。その負の感情で破裂しそうであった。
いや、既に誰かがその破裂しそうなゴム風船にミカンの皮の汁を吹きかけた後だったのかもしれない。
急な雨。どんよりとした雲が泣く。冷たい冷たいその涙。私の感情を映すかの様に次第に量を増していく。
ビショビショになる。何時間経ったのだろう。制服もカバンも卒業証書も何もかもビショビショだ。
もはや何が悲しいのか分からなくなっていた。涙を流しているのか、それとも雨なのか、なにも、なにもわからなかった。
ガードレールをまたいだ。後1歩、それで数m先の地面まで落ちる。
あの人を独り占めしている私は、誰からも邪魔な存在なんだ。
私はいてはいけない存在。
それが、私。
意識がしっかりと保てなくなる。その時には既に足を踏み出していた。
特になにも思わず。
特になにも考えず。
私は自らの存在を無きものにしようとした。