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虹の先  作者: kazuha
依々恋々
134/211

4ー26

『失礼しました』

「……もう、やってられんわ」

 頭を抱える。と隣の女の子が私の肩を叩いた。

「なに?」

「秘密のままでいいの?」

「言いたいなら早く言え!!」

 流れで怒った様な荒ただしい声を出したと直ぐに冷静に後悔した。

 はっ、と彼女を見ると涙目で私の事をじっと見ていた。そしてお風呂が溢れるかの如く泣き始める。

「ども゛ぢゃん゛に゛よ゛ろ゛ごん゛でも゛ら゛い゛だい゛だげな゛の゛に゛!」

 これはやばいと本能的に察する。

「ごめんごめん! そんなつもりじゃないの!」

「ぎら゛い゛!」

「ごめんね! アイス奢るから!」

「よし乗った。ハーゲンダッツね!」

 ころっと泣きやみ、むしろ悪い顔をしていた。してやられた……?

『次はー、化け狐ー、化け狐ー』

「いちいち入ってくるな!」

 一先ず財布の中身を確認してみた。何故か茶色い硬貨が多く見受けられるが、2人分くらいなら買えるかな。

「で、何を買いに行くの?」

「よくぞ聞いてくれました!」

 急いで運動靴を脱ぎ椅子の上に立つ。

「思い出を買いに行きます!」

 決めポーズを決める。そう、決めポーズ。なんなんだろう、あのポーズ。

 いやいや、そうじゃなくて……。何を訳のわからないことをおっしゃっているのだろうか、このリスさんは。SFの世界なら許されるが、現実世界ではまず無理だろう。

 なんて思っていた私が浅はかだったようだ。

『次はー、終点、終点』

 私たちが降りる駅は、海の近くだった。

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