表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の先  作者: kazuha
依々恋々
133/211

4ー25

 さっき居間へ行ったとき居なかったからきっと母は何処かへ行っただろう。仕方なく私はインターフォンを取る。

『やっぽー! 行くよ!』

 耳をつんざく声に直ぐに切る。

「さぁ、作業に戻ろ」

 ピンポンピンポンピンポン!

「わかったよ! 待ってろ!」

 直ぐに部屋に戻り、部屋着から着替えようと服を出す。

「あ゛ー!! なんで急に来るのよ全く!」

 適当に選んで着、荷物をまとめる。

 ピンポンピンポンピンポン!

 ったくうるさい!

 急いで玄関に行き履き慣れてないヒールを出してしまう。

「いっか!」

 ピンポンピンポンピンポン!

「はいはい! 今出るから!」

 扉を開ける。灼熱の空気が私を包んだ。瞬間的に出る汗も驚いていることだろう。

 鍵をしっかりとしてゆっくりと敷地から出る。

「もう! 遅いよ! 何時だと思ってるの!」

 白い素肌を見せつけるように肩まで巻くっているTシャツには『comeback casryn』と訳のわからない単語が書いてあった。

「なに、どうしたの?」

 麦わら帽子がこんなに似合う女の子もそうはいないだろうなどと下心を顕にすると彼女はこう告げた。

「ほら! ともちゃんのプレゼント買いに行くよ!」

 あぁ、そんなこともあったねと納得していると彼女は私の手を取って直ぐに引く。強く引かれると慣れていないヒールのために転けそうになる。

「ちょっと! 危ない! 離して!」

「離すけど急いで!」

 なんで急ぐ必要があるのか。まぁ、なにか思い当たる節でもあるのだろう。

 急いで電車に乗り込む。行き先は街から外れる方面だった。

「どこ行くの?」

 息をきらせながら座り足を伸ばす。

「ひ☆み☆……」

「演出の如く星を出すんじゃない! そして秘密にするな!」

「うるさいうるさい! 公共の場だよ!」

「この列車私達以外乗ってないわ!!」

 ちーちゃんがキョロキョロと辺りを見回す。

 平日の日中。このクソ暑い日にわざわざ外に出る人なんていやしない。

「いや! ひとりいるぞ!」

「どこにいるのよ!!」

「1番先頭で安全運転をしてくれてる佐々木さん!」

「だれ!!」

『車内終日マナーにご協力ください。禁煙、譲り合い、黙り合い』

「車掌さんも上手いこと言わないで!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ