4ー24
パソコンから目を離す。目頭に指を当てて疲れた目を労る。そのまま立ち上がって大きく伸びる。
まだ直すところが多い小説。一段落した所でとりあえず何か飲み物を飲みにキッチンへ行く。
昼間の静かな時間。ゆっくりと時が進むのだろうけど、私にとっては少ない時間だった。読み直して訂正してを繰り返していくと、段々と何が書きたかったのかわからない程に麻痺していた。
誰もいない居間に降り立ち、冷蔵庫をゆっくりと開ける。
気持ちの良い冷気が私の足に触れる。心地が良い。しかし、こんな所で時間をくっている場合ではない。
中には麦茶が大量に作り置きされていた。それを取り出して足で扉を閉める。ガラスのコップに注いで一杯を一気に飲み干す。また注いで麦茶を冷蔵庫に戻し、部屋へ戻った。
それにしても散らかっている。少し整理でもしようか。
なんて考えて自分の足場を確保するために紙を蹴って椅子に座る。
ひとくち麦茶を飲む。たまたま目に入った携帯にメールが入っている合図の光が点滅していた。
誰だ?
メールの送り主はちーちゃんだった。
『思い出した!』
それだけが白い枠に入って飛ばされてきた。何がだよ。
『なにが?』
直ぐに返事が帰ってくる。
『取りあえず買いに行くから着いてきて!』
は?
理解をする努力を要する文面だと思った矢先に、訪問客を報せるベルが鳴った。