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虹の先  作者: kazuha
依々恋々
130/211

4ー22

「うるさい」

 つい口をついた。

「うるさい! 私は少しだけ書くのをやめるんだ!!!」

 上書き保存。終わったのを確認してメールに添付。行き先は担当の人。

 送り終わるのを確認もせずにベッドに入る。

「ムリ。マジムリ。寝る。マジで」

 枕に顔を埋め、丸くなって寝ようとする。睡魔は私を容易に抱き、そちらの世界へと連れて行ってくれる。

「いきなり昼夜逆転生活かい? 早紀」

 睡魔は死神なのだろうか、それとも天使なのだろうか……。それの判断によっては来客を恨まなければならない。

「うるさい。早く帰って勉強しろ」

「おばさんが心配してたぞ。うちの子が不良になったって」

「いい加減めんどくさがって育児放棄してるのに気付けよ」

 ベッドが沈む。寝返りを打ち目を開ける。

「それはどうでもいいとして、」

「いやよくないだろ」

「どうした? 亡霊に取り憑かれたようにパソコンを殴ってるって言ってたぞ」

「その証言者に言ってくれ。タイプしてると言うって」

「それにしても酷く赤いな」

 いつの間にか見ている紙。それを恥じるが何かをしようとは思えなかった。体の倦怠感が私を縛っているようだ。

「そうだよ。悪いか」

「いいや、悪くない」

 私に視線を向けるとにっこりと笑った。

「壁は高ければ高い程、乗り越えた時の景色が美しく見えるものだ」

「それはどこの引用だ?」

「……とりあえず、諦めるなよ。それと、無理すんなよ」

「私の言葉に反応しろ。そしてあんたに、1番言われたくないよ」

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