4ー17
向かいの家、目の前の部屋から光が漏れている。その状況に私は自然と状況を察する。
まだ、勉強してるんだな。感心感心。そうでなければ合格なんてできないだろう。あの、模試の結果の感じからだと。
しかし、こんな時間まで勉強していて体調は崩さないだろうか。そんなに無理するならもっと低ランクの大学にすればいいのに。この付近の大学とかさ。
今更やめろなんて言っても聞かないだろうけど。
ちゃんとご飯も食べてるだろうか。会ったとき少しやつれていたような気がしたけど。クーラー付けてるみたいだけど、冷やしすぎてないだろうか。夜食にラーメンなんか食べてないだろうか。机の上で寝てたりしないだろうか。
頭を強く振る。雑念だ。雑念。こんな心配、私がするべきではないのだから。
窓から離れる。体の熱が取れた。よく、寝れそうだ。
ベッドに横たわると直ぐに目を閉じる。まぶたの裏に、眠りを妨げる顔が出ると直ぐに目を開けてしまう。
くそ。枕に顔を埋めて無理やり寝る。
こんなにもキリキリする気持ちはなんなのだろう。モヤモヤしている気持ちは。どうして、こんなにも、苦しいのだろう。
寝たいのに、寝なきゃいけないのに、そう思うほど眠気は薄れ、息苦しさだけが残っていく。
「くそ……くそ……!!」