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虹の先  作者: kazuha
依々恋々
110/211

4ー2

 夢から覚めるように、また目を覚ました。どこまでが夢だったんだろう。また、あんな苦痛の1日を過ごさなければいけないのか。溜め息を吐いて時計を見る。

 翌日だ。

 そんなくだらないこと想像するなんて、まさにB級の物語書きに成り下がったのかと自己嫌悪に陥るところだ。ある夏の輪廻なんて全くくだらないことだ。

 一瞬の感情と思考が奇跡を呼ぶのにも関わらず、そのチャンスを与えられるそんな物語が面白いと思えない。

 と、SNSに書き込んだら炎上しそうな思考を飲み込んで起き上がる。

 夏休み初日。一学期の汚いものは洗いきった感覚だ。何と言うか清々しい。暑さのせいか服ははだけていたがそんなことどうでもいい。急いで身支度を整え携帯を見る。

「さてさて。行きましょうね」

 クローゼットの中からリュックを引っ張り出し、中にペンとノートだけ入れて背負う。

 用意が出来たと思って鏡を見る。

「あ、寝癖……」

 そう呟くと遠くから声が飛んでくる。

「やっと気づいたか。あわてんぼうの早紀」

 その声は間違いなく。隣の家の人だった。

「だから……。レディの部屋覗くんじゃないの!」

 窓に近づいて大声で叫ぶ。

「もっと女子力を磨いてからそのセリフを貰いたいものだ。窓開けておいてそれはないだろ」

 そう言われて急に恥ずかしくなった。

「どこから?」

「なにが?」

「どこから見てたの?」

「……。そうだなー。水色……」

 私は近場にあった目覚まし時計を思いっきり投げつける。それはがしゃんと言って彼の顔の横を通っていった。

「危ないよ」

「もう知らない!」

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