始まりの部屋
僕は気づくとドアのぶもなにも付いていない扉があるだけの部屋に居た。なんで、ここにいるのか分からなかった。僕は記憶を失った。自分の名前も分からなかった。
手には携帯が、その画面にはここの部屋とまったく同じの画像にスタートと書いてあった。
スタートを押すと、ガチャンと大きな音がし、目の前の扉がゆっくりと開いた。
扉の奥へと行くと、また同じような扉と机がひとつだけあった。その机の上には怪しげな封筒がひとつ置いてあった。
ゆっくりと近付き封筒を開け、中を確かめた、そこには銀色の鍵が1つだけ入っていた。
「何だろ…」
辺りを見渡すが鍵穴らしき場所は見当たらなかった。
ブブブ…携帯がなった。
見てみると、メールが一通。
―――――
ようこそ。
脱出ゲームへ
葉山 透 様
――――――
「葉山透…僕の名前…」
まだ、続きがあった。
――――――
私は今までの貴方の「記憶」をお預かりしています。
部屋をひとつクリアするごとに貴方の記憶は戻っていきます。
クリアは出来ない事はありませんのでご安心を。
それでも、ゲームを中断すると言うのであれば、電源をお切り下さい。
そうすれば、全てが終わります。
最後に1つ。
その鍵は貴方の帰る場所の鍵ですので
くれぐれも無くさないように。
―――――――――
と、書いてあった。
勿論僕は、このまま進む。
僕が何者なのか、なんでここに居るのか全てを知るために。