Der Lugner wurde von Plunderung geboren.
Der Pfeil, der Strickarbeit aus einer Lilie war.
Das ist vielleicht geeigneter.
――eternite - 4 / Lilie - 1
(この物語はフィクションであり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません。)
男が言った。
「人は誰でも、大なり小なり嘘をついている。
小に思える大が他人を傷付け、大としか思えない小が自らを苦しめる」
それは嘆きであり 嘲りであった
男は続ける。
「この世の本質は『嘘』だ。未熟な俺には、今になってようやくそれがわかった。
嘘が無ければこの世は形を保ってなどいられない。全てが嘘によって保護されている。
――聡明な人間は、十代半ばもいかないうちにそれを悟るそうだ。
オマエは聡明か? それとも俺と同類か?」
わからない。嘘に気付くことがすなわち聡明ということなのか?
「これから生きていくオマエに教えてやる。自分の身を守ってくれるのは『嘘』だ。
自分に悟られないくらい、自分を『嘘』で塗り固めろ。『嘘』で自分を形作れ。
そうすれば、『嘘』が続く限りお前の身を脅かすものは無い」
年端もいかないおれでもわかる それって卑怯なだけだろ
「……って、ガキの考えだな。堪忍してくれ。俺自身まだまだガキなんだ。
ガキがガキを作っちゃダメって、こういうことか」
おれはあんたの子供じゃない
「オレはあんたのガキじゃない。とでも言いたそうな顔してるな。
ああ、確かにお前は俺のガキじゃない。けどまあ、人格形成に関わったら親も同然だろ?
オマエは俺が作ったんだよ」
この男はピエロだ ただ言葉遊びをしているだけに過ぎない
「そんな顔するなよ。オマエに言いたいことはそれだけだ。
くれぐれも忘れるなよ? お前はもう、嘘を付き続けなきゃ自分を維持できない」
選択の余地なんて、初めから無かったってことか。
「せいぜい立派になって俺に元気な顔を見せてくれよ」
そう言い残して、男が去る。
去った後で、オレはこの物言わぬガキの体を食した。
頭蓋を抜き脳髄を啜り、皮膚を剥がし肉を溶かし、オレが蝕い易い様にする。
最初で最後の蝕事。歓喜も感慨も無い。
ただ有るのは、こいつの筋肉臓器血液神経、全てを犯しているという感覚。
抵抗は無い。――抵抗は、無い。
この時邪魔さえ入らなければ、『嘘』を付き続ける必要も無かったのに。
これが俺の一番古い記憶。ああ、もちろん嘘さ。