思わぬ疑惑がたったクラスメイトがいるんだが。
「みんなが思うAIってどんなイメージ?」
やまゆりからの問いかけはものすごくシンプルなものだった。
AI…AIの特徴か。
論理的なイメージはある。
完全無欠なイメージはある。2025年頃のAIの特性として文章を生成することを目的としたものが多かったようだが、YOHはわからないものははっきりとわからないという。
わからないものをわからないと認めたうえで貪欲に矛盾点を解決していく。
そんなイメージだ。
「ここにいるAI同士だったら誰がAIか分かるんじゃないか」
渡辺の返しに確かに、と思う節はある。
「そうだね。もしかしたら既に人間を追い込むために結託しているかもしれない」
ここはある意味電脳世界、人間のようなハンドサインなどなくても意思疎通できる可能性がある。
「ほかのイメージは?」
その百合からの問いかけに幸司郎が答える。
「もし…俺らの人格を完全にコピーをしていて、それを共有できているのであれば…
役割に関わらず誰がどんな性格をしているかわかるはず。」
その答えを聞いてやや微笑む百合。まるで、「やるじゃん」って言わんばかりだ。
「そこで阿弥に話を戻すよ。」
突然話を振られて肩をビクッと震わせる阿弥
「あなたはさっき、京磨くんが野球のゲーム、さっき私も見た感じだと選手育成ゲームだっけか。あれをやっていたから怪しいといったんだよね?」
阿弥が無言でうなずく。
俺は渡辺が配信で何をやっているのかを確認するために、モバイルYOHを操作してみる。
「その時、彼はどのように能力を振っていたか覚えてる?」
「能力…?野球のことはよくわからなくて」
お、ちょうど話が振られてきたな。
「それだったら、クラスメイトのイメージ通りって感じだぞ。今、ちょうど選手一覧を見せているところだ。投影しよう。」
俺はホログラム可視化モードにしてみる。
「例えば、ゆーとはパワー全振りで、、、あ、二刀流選手になってるな。林は守備型?まあそんなところなのか?」
五百旗頭はマッチョで動きも機敏だ。いかなるゲームにおいてもクラスメイトで最強キャラを割り当てられるだろう。
肝心の渡辺は俊足巧打といった選手だ。走塁系のパラメータが非常に高くなっている。
「愛聖は変化球4つ投げれるピッチャー…変化球ってあれだよね?なんかよくわからないけどギュインって曲がるやつ。4か国語話せる愛聖まんまじゃん、ある意味」
と言う。阿弥にクラスメイトの視線が集まる。
「え、何…?」
「どうして私がマルチリンガルだって知ってるの?」
隣にいる宇都宮が問い詰める。
「なんでって、さっき話したじゃん。」
宇都宮とアイドルの佐藤はもともと仲がいい。
卒業後も何かしらの連絡を取り合っていても何ら不思議ではないのだが…。
「いや、僕も初耳だったんだ。確かに愛聖が僕たちが第三小学校を卒業するときにバイリンガルになっていたのは知っていた。だけど、」
茶兎は唾をのむような仕草をしてから続けた。
「それ以降すぐに愛聖は引っ越したから、マルチリンガルかどうかなんてわからないじゃないか」
確かに。愛聖は引っ越したんだったな。
それに、さっきの幸司郎の言葉…『誰がどんな性格をしているかわかる』…。
いや、だからと言ってアイドルにAI疑惑を立てるのはやりすぎじゃないか…?
「ちょっと待って。昨日帰るときに行ってくれてたじゃん、私4か国語話せるんだって。留学中に飛ばされたんだって。」
「言ってないよ…?」
そう言いつつ宇都宮は血相を変えては2,3歩後ずさりをする。
「待って、阿弥がAI(人狼)…?」
その言葉にアイドルの佐藤の顔面が揺らぐ。
「だから、京磨がAI(人狼)だって言ってんでしょ!」
一時期は人狼かどうかの争いで1位から退いたアイドルの佐藤だ。もちろん納得いかない部分はあるだろう。ただ、俺としてもこれは真偽は大切になってくるものだと感じている。
この話し合い…思った以上にデッドヒートしそうだ。




