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俺 ドント ラブ AI!!  作者: 花園三京-Chan-


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理論に推し活と友情を加えて

第3回の鬼ごっこに鬼は余裕で勝った。


校庭にいた奴らはやまゆり(りりぃ)のスナイパーで速攻やられる。

窓から校庭を覗いた場合も同様。


どこかに籠城していたとしても二文字のやまあおが扉やバリケードをアイテム化して突破。


仮想世界で鬼ごっこをするとこうなるんですね。


そりゃあ、ゲームの能力なんていれたら通常の人間がかなうはずがない。

運動が得意な蒼(あおい)がかすむことってあるんだな。

普段通りあんまり目立ってなかったけど。


体力お化けの五百旗頭(いおきべ)もやまゆり(りりぃ)のスナイパーの前では無力だったらしいからな。

というかFPSってキャラクターを操作するゲームだよな?

なんで自分自身がゲームのキャラなり切った状態で…もういい、考えるだけ無駄だ。もう終わったことだしな。


そんなこんなで俺らは今第3回の模擬投票となっている。

そろそろ俺もちゃんと考えて投票をしたいところだ。


ってかこの状態でどうAI(人狼)を選べと…。いや、やまゆりが一周周って怪しいか?

人工音声とAI(人狼)はつながっているだろうから、手をまわして敢えて蒼(あおい)を目立たせなかったとか。


ここらは非現実的すぎる。

逆にその非現実を目の当たりにした奴らの反応のほうが参考になる。


幸司郎(こうしろう)はずっと腰抜かしてるからな。

あれは人間味しかない。逆にあれでAI(人狼)だったら、俺らに勝ち目はない。


逆に林はどうだ?

妙に冷静だったよな。あの状況でやまゆりに撃たれて場所が移って、あの冷静さ?

胸の中にどす黒いものが広がっていくのがわかる。


何とも言えない、吐き出してしまい不快感。

だけど、何とか俺はその感触を体の中に押さえ込んでおく。


よく考えろ。

この中にAI(人狼)は10人いる。

要は、3人に1人は人間じゃないってわけだ。

俺の周りの2人がAI(人狼)だったとしても不思議じゃない。


とりあえず、山口と林はグレーだ。

俺は今回、林に入れることにした。


『投票完了』


その文字を見て、周囲をうかがう。

鬼ごっこの時にはあんなに元気なのに今では沈黙が支配するこの居酒屋。


大きな声を出しずらい。

俺は隣の幸司郎(こうしろう)に注目すると、ホログラム画面を注視している。

模擬投票で悩んでいる顔ではないので、おそらく誰かの配信を見ているんだろう。

それならば、と俺は幸司郎(こうしろう)の脇腹をつついた。

気づいた幸司郎(こうしろう)の耳元でささやく。


「お前、今誰の配信を見てるんだ?」


返事は、ホログラムの可視化で返ってきた。

アイドルの佐藤の配信だ。

自身のユニット曲をソロでカバーしているライブ配信だ。


「ファンのお前から見て、この配信はAIに仕組まれたものだと思うか?」


俺はギリギリ幸司郎(こうしろう)に届く声で話しかける。


「いいか…アイドルっていうのは何回も何回も同じ振付と同じ歌を発表するし、練習する。

だから、AIに学習されやすいと俺は見ている。」


空気を読んでひそひそ声で返しきたりとか結構納得のいくロジックで返してきたり。

本当にこいつ幸司郎(こうしろう)か?

いや、でもたまたま冴えわたることもあるよな。


「そしたら本物が踊っていたとしても見分けつかなくないか?」


「そこなんだよ。」


俺と幸司郎(こうしろう)からギリギリ見えるアイドルの佐藤を見ながら話を続ける。


「それに気づいているのであれば、あいつはそこで勝負しないと思わないか?

これはアイドルという先入観を捨てて一人の旧友としてみた時の話だ。」


小学校の頃の佐藤…確かに歌とかうまかったけど、テストでいい点とってたよな。

仲がいい宇都宮や木村と一緒に高得点を自慢しあっていたイメージがある。


俺は確かに、とうなずく。


「だからおかしいんだ。こいつは阿弥(あや)本人じゃない。AIだ。こっちにいるのが人間だよ。」


ファンだから、そしてクラスメイトだからわかる人間だという判断。

なかなか侮れない奴だな。

かといってあのカッコ悪い腰の抜かしを忘れるわけはないんだが。

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