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16.WILD CHALLENGER Act.2

 金曜日の夜、吾妻円はワクワクしながら明日の支度を行っていた、初めてのフル装備でのゲーム、メインアームとサイドアームの併用をしてゲーム、ワクワクしないわけがない。

 チェックリストを作り必要な物品全部にチェックを入れ、装備のつけ具合を確認すると一息ついた。


「おう、円」


 振り返るとテツ兄がそこに立っていた。


「来てたんだ、映画?」


「今日はオマエ(・・・ )の様子を見に来た」


 テツ兄は円の部屋に入りソファーに座る。


「あとそのチェストホルスターかっこいいな」


「いいでしょ」


 円はチェストホルスターを自慢する。


「一つ助言をするならP90のホルスターは腰に直付けじゃなくてドロップレッグパネルを経由してふとももにつけるといいぞ」


 テツ兄は円のレコーダーからバンク・ジョブを探し当てそれを見ながら「支度終わったらちょいとドライブにでも行こうぜ」と円を誘う。

 支度を終わらせてテツ兄に促され吾妻家の敷地内に停めてあったテツ兄の白のアコードワゴンに乗り込む。


「俺、飯食ってないからラーメン行くぞ」


 テツ兄はアコードワゴンを走らせ街道沿いにある「とらっかーめん」というロードサイドのラーメンショップに来ていた。小学生の頃はよく来ていたが高校以降に来た記憶はなかった。

 とらっかーの名前のとおり駐車場は広いというよりもはや広大で円は高速道路のサービスエリアよりもデッカーズの駐車場を思い出した。

 アコードワゴンを駐車場に停め2人で店に入り食券を買う、テツ兄はとらっかー味噌大盛り、円もそれに倣ってとらっかー味噌を頼む。店はタイムスリップしたのか最後に見た時と大して違いはなかった、テツ兄は一番奥のボックス席を選んで座った、この席に座ったのは初めてだがなるほど不思議と落ち着く席であった。


「そういえば、仕事はどうだ?」


「ぼちぼちやっていけてる、かな?」

「M.A.R.Uシングルショットってエアガンあったじゃん」


「あー今話題になってるのね。俺手に入れてないんだよなー」


「それの弾速チェックやった」


「弾速どれぐらいだった?」


「45.4から45.6。基本45.5ばかり」


「マジか……」

「それって東京マルイの電動ガンのセミオートでも出せないぐらいの安定性っていえばわかるか?」


 テツ兄は驚いてからそのすごさを円に説明する。


「やっぱすごいんだね」


「まぁな。くっそ、ますます欲しくなってきたな」


 今の職場にサバゲーマーだがいけ好かない後輩がいて彼がそれを買えて自慢しているという話をテツ兄は円にする。


「でもこの会社きっと新しいもの出すからそっち買ってもいいんじゃない?」


「お、業界人らしいね。じゃあ円さんのアドバイス通り待つとしますか」


 2人同時に手元の機械がブルブルと鳴りラーメンが出来上がった事を告げる、受取口まで自分のラーメンを取りに行き着席し2人でラーメンをすする。


「明日はどこ行くんだ?」


「プライマリの、プライマリセカンダリマッチ」


「あーアレな。誰かと?」


「大学の先輩と職場の子と」


「あの子か?」


 円は麺をすすりながら頷いた。


「その後はどうだ、どこまで行った?」


「えっと……たまに一緒に講義受けたりご飯一緒に食べたり? それとこの前オリエンテーションの帰りにクルマに乗せてもらった」


 友達とは言えるが付き合ってるとは言えるか言えないかビミョーな関係。


「セックスは?」


 すすっていた麺が円のヘンなトコに入った、円はむせながら「ない」答える。


「あーもったいねぇなー」


 円が思っていたよりテツ兄のデリカシーが無いのか円が大人になったからテツ兄が本性を現したのかこれが大人の常識なのか円にはわからなかった。


「まぁ冗談はさておきだ。明日は楽しんで来いよな」


 2人で雑談を行いラーメンを食べる、食べ終わり店を出て車に戻る。


「そうだ。オマエにも一応聞いておこうと思う」


 発進させる前にテツ兄が断りを入れてから円に聞きスマートフォンを見せる。そこにはかなり画質が荒く顔の造作はわからないものの辛うじて美人である事だけがわかる人物が写っていた。

 その人物はサバゲーマーであるらしく緑系の迷彩服を着て胡坐をかいて胡坐の上でカレーを食べてる写真が写っていた。机の上にはマガジンの抜かれれたTEC-9が置かれている。特徴的なのがマガジンがUZI用のL字型マガジンクリップみたいなものでL字型に留められていて、オプションのストックらしきものが外された状態で置かれている。


サバゲー仲間(・・・・・・)から回ってきたんだがその人物を知らないか?」


「TEC-9ってエアガンで見たことないなー」


「このエアガン俺の世代でもギリギリ無かったモノだしな」


「ってことはこの写真相当昔?」


「00年代前半らしいな」


「僕、生まれる前じゃん。そんなの僕に聞いてもしょうがなくない?」


 テツ兄は「そうだよなー」と納得する。円は一応写真を送ってもらって自分のスマートフォンのフォルダに入れた。

 円はその写真を見て何か違和感を覚えたがその違和感は満腹に追い出されていた。


――――――――――――――――――――――――


 翌日円は前日にまとめた荷物を持ちデッカーズの駐車場に向かっていた。ここで希と合流しプライマリで陸奥、まりと集合する。

 時間になっても来なかった。数分経って通用口から松岡が顔を出す。いつものジーンズにエプロン姿でなくどてらを羽織り下は寝間着で木製サンダルを履いていた。


「悪いね、アイツ寝坊してるみたいだから少し待ってやってくれ。中で待つかい?」


 手持ち無沙汰で荷物も多かったので円は店内に入る、灯の落ち静けさに満ちた店内は暗くいつものデッカーズとは雰囲気が違い、まるでサバイバル映画に入ったかの様な錯覚に円を陥らせた。

 松岡とバックヤードの休憩室に入る。


「飲み物おごるよ、なにがいい?」


「じゃあ自販機のジャワティで」


「アレ美味しいよね」


 松岡はボトルの紅茶を買いに行き片方を円に渡す。

 しばらくの沈黙、円は松岡に関して好印象を抱いているがこういう場面で何を喋ればいいかわからない。男同士、されど他人同士で大人と子供、上司と部下と微妙な関係性だ。


「今、希と付き合ってるんだって?」


 松岡は直球で円に聞く。テツ兄のノンデリな質問と違い明確な肯定も否定もしづらい答え、付き合っているのかあくまで友達なのかそれ以外なのかそこは希に委ねる部分だ。だが円はあえて「はい」と肯定する。若干の願望もあったが同時に円なりの希への誠意がそうさせた。


「あ、やっぱり。アイツ今日を楽しみにしてて昨日寝れなかったみたいでさ。アイツのああいう姿見るの初めてでさ」


 松岡は嬉しそうに希の事を話す。


「ズケズケモノをいうから誤解されるけど根は陰キャで自己主張できない子からどうか仲良くしてやってくれ」


 松岡は頭を下げる、この場において松岡と円は1人の少女を介在した関係同士、そういう意味で対等な関係。


「はい」


 松岡が円にそう言った、そこには信頼があった。


「あの」


「何かな?」


 松岡が優しく円に聞く。


「松岡さんと後藤さんってここ(・・)で暮らしているんですか?」


「部屋を借りる余裕がなくてね。一応あの子の保護者をしてるから同居人みたいな感じかな?」


「あわわ、寝坊した!」


「おっと噂をすればなんとやらだ」


 そこに急いで支度したであろう希が入ってきた。バックパックの口は半開き、ブーツの靴紐は結んでおらず、トレードマークの革ジャンの袖は左だけ通っておらず、顔はいつも通り可愛らしかった。本当に純粋に寝坊した人そのものの出で立ちであった。


「あ、おはよう。吾妻」


「おはよう」


「道中で食べる用に朝飯(サンドイッチ)作ってやったからさっさとデートに行け」


 松岡はランチボックスと紅茶を希に渡して追い払う。


――――――――――――――――――――――――


 マツケンが時間を稼いでくれたおかげでジャケットの袖は右腕だけ、ブーツの靴紐はむすんでいない、朝ごはんもたべていない状態ながらも化粧をして髪を整えるだけの余裕だけはあった。

 クルマ(ジムニー)の座席に座り、靴紐を手早く結ぶ。


「朝ごはん食べてないでしょ? 今食べなよ」


「じゃあお言葉に甘えて……」


 希はランチボックスを開けた。中にはサンドイッチが4つ中身はいつも通りの近所にある深夜営業しているスーパーで売ってるボローニャソーセージとスライスチーズとピクルス、マツケンがこだわりぬいて作ったマスタードマヨネーズのソースをパンに塗りたくった物だ。

 希が大口を空けて一口食べる、いつもの味、安心する。

 円がそれを眺めている、手持ち無沙汰だし何よりマツケンのお手製マヨネーズは匂いが強く、ジムニーの車内が狭く空調を利かせているからか車内はマヨネーズの匂いで充満している。

 あと3つは食べたいが物欲しそうに見ている円を見ると希は罪悪感が湧いてきた、寝坊したのは自分なのに。


「あ、あげる……」


 何を思ったのか自分の食いさしの半分を円に渡した。渡した時点で希は「何をやってんだ、わたし」と思ったもののすでに食いさしは円の手に渡り口に入れられていた。


「あ、美味しい」


「そ、そっスね……」


 気まずくなり、無言で運転をする。

 この男もしかして人たらしなのでは?


――――――――――――――――――――――――


 約束の時間であった7時30分よりも少し遅れてプライマリのフィールド駐車場に2人の乗るジムニーは入場した。山の中でもっと遠いと思っていたがクルマで来ると驚くほど早く到着した。フィールドの入口にはバス停もあり夕方7時以降は運行が無いとはいえ有名な登山道に行く道なのもあって山の中にしては本数がそこそこ多かった。

 砂利敷きの通路を低速で走行し空き区画を探しそこにバックで先頭を前にして入庫する。

 外で待っていたであろうまりがジムニーが停車したのを見計らって窓をノックする。


「あ、おはようございまス。遅れました」


「おはようございます、まだ大丈夫ですよ……その、サバゲーフィールドでは車は前から入ったほうが荷室(ラゲッジ)から荷物取りやすくていいですよ」


「あ、そうっスね。一旦回頭するんで少し下がってください」


 希はまりの誘導の元一旦出庫してから再度頭から入庫する。

 そうしてから3人でフィールドに入る。

 会員登録からの入場手続きと弾速チェックを済ませる、円はスラスラ書いて終わったが希が手間取ってる。


「荷物先に持っていくから、ゆっくりと来なよ」


「ありがとう」


 希は一生懸命に入会手続きの書類を書いている、ちらっと見えたふにゃふにゃの文字からは何とも言えないが幼さ(・・)を円は感じた。

 先に来ていた陸奥ハルトがすでに4人掛け席を取っていて手招きしている。円はハルトの向かいに座ろうとするがハルトに「こっちがいいよ」と促されハルトの隣に座る。

 希がまりの助力もあり記入書類を書き終え着席する、なるほどハルトとまりが対面し消去法的に円の向かいに希が来る形になる。


「改めて2人とも今日はよろしくね」


 陸奥は2人に対し挨拶をする、前回会った時と同じようなネルシャツとジーンズにやぼったい眼鏡だが見てくれと違い気さくで明るく清潔感のある好青年だ。


「じゃあとりま準備しよか?」


 皆でガンを出していく。

 円は前日に入れたタクティカルマスターとP90。

 希はいつものスタームルガーとMP5。

 ハルトはガバメントベースであろうリフレックスサイトが載ってレバー類が大型化されたレースガンとスマートな金属製M-LOKハンドガードとサムホールタイプストックを合わせ、上部にはLMTサイトと一体化したC-MOR、ハンドガードにはハンドストップを上と下に装着させたシンプルな構成のフルサイズのAR系(M16)

 まりはアンダーマウントにフラッシュライトを装備したグロック18Cと20ミリレイルが4面についているハンドガードと固定式(フィクスド)ストックを合わせたフルサイズのAR系(M16)を持ってきていた、カスタムは20ミリレイルの部分には上右左にレイルカバー底面にシンプルな垂直型フォアグリップ、サイトはショートスコープを搭載しいる。

 ハルトは趣味と実用を兼ねたガンマニア、まりは実用重視と円は思った。そしてお互いになぜかARは30連通常型でなくの20連のショートマガジンを持ち込んでいた。


「そういえばなんでマガジン短いほう選んでるんですか?」


 今回はシューティングマッチで伏射をするわけでなく20連を選ぶ理由がわからなかった。


「マルイのマガジンは普通のよりもこっちのが装弾数が多いんだ。こっちは80連、普通のは……何発だっけ?」


「68発ですね」


 まりがハルトの質問に答える。


「だって、まぁ普通のは普通のでバネの張りが緩いからジャムりにくいんだけどね」


「なるほど」


「ところで後藤さんはたまにサバゲー部で見かけるけど、吾妻くんはサバゲー部では見ないよね? 幽霊部員?」


「話すと長くなるんですけどサバゲー部の新歓を追い出されて、そこでサバイバルゲーム研究部会の部長に拾われたのでそこでやってます」


「まりちゃん、サバイバルゲーム研究部会ってサークル聞いたことある?」


「聞いたことありませんね……」


 確かに円が入部する前の部員は部長とシイちゃんの2名だけであったし、オリエンテーションや部活・サークル案内のパンフレットにあった記憶も無い。部長のアレだけ濃い人格であればサバイバルゲーム研究部会という名前を忘れてたとしても絶対に何かしらで思い出す筈だし、上級生である真壁と陸奥も知っているはずだ。


「はい、そろそろ始めます」


 フィールドスタッフが開始を宣告した。そこから基本的なエアガンの扱い方のルールの復習がてら基本的なルールの説明がなされた。

 ・シューティングレンジに入るまでは銃にセーフティをかける事。

 ・銃口は常にターゲット側を向ける、いわゆるマズルコンシャスを意識する事。

 ・撃つとき以外は指にトリガーをかけない、いわゆるトリガーディシプリンを意識する事。

 ・係員の指示に従い、途中暴言、中傷などはしない事、なにかあった場合や質問がある場合には係員に報告する事。

 円は特に重要であろう部分をノートに記載した。


「ここまでで何か質問は?」


 円たちの隣の席の大男が挙手をした。彼は革ジャンを羽織っていて髪型は後ろで束ねたオールバック、体格ががっしりした男だ。


「一応ライフルも持ってきたが、ライフル競技の際にストック付きのピストルを使用してもいいだろうか?」


「面白そうなので許可します、他には?」


 他に途中退出の事を聞かれた以外質問はなかった。


――――――――――――――――――――――――


 希は円は綺麗に早く字をかけるんだなーとボケーッと思いながらルール説明を聞いていた。

 話の内容はエアガンは実銃と同じ扱い、誹謗中傷NG、何か質問あれば聞く。この3点に要約される。

 スタッフの話を聞いているときにジトッとした視線を感じ、寒気を感じた。いつぞやの3人組にからまれた時の感覚だ。

 その視線は隣の席の男たちから来ていた、3人の男達ジトッとした熱を帯びた視線を感じたが無関心を装う。似たような顔の中年三人組、相席になっている大男は多分仲間ではない。大男は希に無関心だった。

 見ているだけなら無害だ。と、それを流す。

 すると眼の前にクリップボードとペンと9番と描かれたステッカーが出てきた。


「えっと、これは?」


識別名称(TACネーム)書いて、ステッカーを貼るんだって」


 隣の円が10番の場所を指さして説明をする。大体本名に類する名称、でなければ何かしらのニックネームが書かれている、特に目に付くものだと「おちてるまがじん」や「コーンフレークの虎」等がある。

 希は何も考えずにroach(ゴキブリ)と書いた。


「……本当にこれでいいの?」


 円が怪訝そうに希に聞き返す。


「うん」


「わかった」


 円は自分の名前に二重線を引いてRat(ネズミ)と書き直した。

 ハルトはコヨーテ、まりはゴミパンダと書いた。

 希はそこまででようやく自分のミス(・・・・・)に気づいた。こんな場面で自分の名前に害虫の名前を出す奇っ怪な女になってしまった。


「今日は動物多めですねー」


 フィールドスタッフは苦笑いしながらボードに名前を書き記していく。

 この場には卓が3つあり12名の参加者がいることになる。


1.Ken A.K.A Harness Bull 

2. コーンフレークの虎

3. おちてるまがじん

4. せな

5. のりしお味@大尉

5. タキオンP

7. オメガ7

8. ハードマッスル

9. rat

10. roach

11. コヨーテ

12. ゴミパンダ


 希は改めて見回す、希とまりと4番のせなという可愛らしい女の子以外は全員男らしい。

 先程の男3人は希とまりが団体(男連れ)と見るやせなの方に視線を向け始めた。

 シューティングマッチのプログラムが発表された。


1.セカンダリシュート

 ハンドガンを握り銃口を真下に下げた状態で開始。レンジ内の5枚の金属ターゲットを撃ち抜き行程を終える時間を競う

2.プライマリシュート

 ライフルを握り銃口を真下に下げた状態で開始。レンジ内の5枚の金属ターゲットを打ち抜き行程を終える時間を競う

3.セカンダリ3×3

 ハンドガンを握り銃口を真下に下げた状態で開始。5メートル先の3×3のマス内に時間差で現れる5枚のターゲットを撃っていき行程を終える時間を競う

4.プライマリ3×3

 ライフルを握り銃口を真下に下げた状態で開始。5メートル先の3×3のマス内に時間差で現れる5枚のターゲットを撃っていき行程を終える時間を競う

5.シャープシュート

 ライフルあるいはハンドガンを握り銃口を真下に下げた状態で開始。15メートル先のターゲットに向けて5発撃ち得点を競う

6.10分休憩

7.セカンダリムービングシュート

 ハンドガンを握り銃口を真下に下げた状態で開始。コース上を進行し道中にある11枚のターゲットをハンドガンで撃っていき行程を終える時間を競う 

8.10分休憩

9.プライマリムービングシュート

 ライフルを握り銃口を真下に下げた状態で開始。コース上を進行し道中にある11枚のターゲットをライフルで撃っていき行程を終える時間を競う

10.デュエル

 ライフル或いはハンドガンをホルスターに格納した状態またはテーブル上に置き両手を下げた状態で開始。2名同時に0.5m先の的に向かって撃ち早く命中した方の勝ち。トーナメント戦で方式はダブルイリミネーション方式としその時点での得点が高い4名は本戦トーナメント2回戦からの参加とし1敗した時点で敗者復活トーナメントに参加する。


 以上が今日のシューティングマッチのプログラムである。

 また各プログラム毎に1位が5ポイント、2位が4ポイント、3位が3ポイント、4位が2ポイント、5位が1ポイントとポイントが与えられ最終的に総合ポイントが多い順に優勝と準優勝が決められる。


「更に今回は総合得点順に優勝、準優勝の方に加えこちらで選出しました敢闘賞の方1名にも特典をお渡しします」


 優勝者はM.A.R.Uシングルショット

 準優勝者と敢闘賞はプライマリ中古市場で使える1万円分の金券


 景品が発表されると皆が歓喜した。

 確かにM.A.R.Uシングルショットは600本仕入れたデッカーズにおいても売り場を作った翌日には完売していた、前情報がほぼなしで謎のエアガンメーカーから出た傑作機という事もありSNSでも話題になっていた。他のガンショップでは多くても1ケース12個、でなければ1ケースを分割して仕入れていた。それでも先見の明があったほうで、見向きもしなかったガンショップが大半だった事もありシングルショットは今や明確に定価以上の価値が生まれたエアガンである。驚くことにフリマアプリで転売された形跡などは存在せず皆、現在の市場価値が定価以上である事はわかるが相場がどの程度なのか誰もわからなかった。

 熱狂につつまれゲームが始まった。ある者は優勝を、またある者は賞品を、そして陸奥ハルトは吾妻円という人物を見極め、吾妻円は何も知らずただ楽しむために参加する。

サバゲー解説


サバゲーギアについて、1


サバゲーギアにはゴーグルやヘルメット、ニーパッドなどの安全装備

ファーストラインチェストリグ等の基底装備

ホルスターやダンプポーチなどの収納装備

無線機や撮影用カメラなどの電子装備

ダミーグレネードやパッチなどのイミテーション等のジャンルに分けられ或いは複数のジャンルを跨いで兼ねているとここで分類する

それらを調達する際、使用する際の注意事項などを前編で記しておく


サバゲーギアを調達するにあたって先ず必要なのが青写真、最終的な装備構成をどう持っていくかである

そこは各人の哲学に任せるとして何故装備の青写真が必要なのかというと不必要な物をいたずらに調達しそれらが資金や保管場所等現実的なリソースを圧迫するのを防ぐためである、身体が1つしかない都合上プレートキャリアやファーストラインが何個もあっても一度に使うのは基本的には1つのみであり、1つ目のプレートキャリアやファーストラインが仕上がってから2つ目以降に行っても遅くない

しかし装備の事など何もわからない人に対して出来る助言を筆者はする

装備のカラーを決める事、最初に基底装備を調達する事、完成予想図には3割以上の余裕を持たせる事である

装備のカラーとは基本的な配色はともかくとし、自らをサバゲーでどう表現していきたいかを考えることである。ミリタリー1つとってもWW2期、冷戦期、現代と大ざっぱな区分がありその下に小区分として各国と分かれる

つまり自分が何処の誰になりたいかを考える事である

配色に関してはブラック、オリーブドラブ(緑色)デザート(茶色)がサバゲーにおける基本3色で基底の色とその上に乗せる物の色が違っててもおしゃれでいいと筆者は思う

基底装備を先に調達する理由は、先にベースとなるプレートキャリアやファーストラインベルトを決めそのうえで収納装備、実用装備、イミテーション等の何を載せるかを考えるためである

理由は先に述べた不必要な物の調達を防ぐためであり特に収納装備と基底装備の組み合わせは其々が良いものであったとしても組み合わせると微妙だなと思う事も多々ある故に先ず基底装備を調達しその基底装備に合わせるべく装備構成を考えるべきであると筆者は考える


安全装備

サバゲーを行うにあたっての怪我や転倒、ちょっと身体が辛いなみたいな事などを防ぐ装備類で、ゴーグル、フェイスガード、ヘルメット、ニーパッド、エルボーパッド、ウェア、ブーツなどが挙げられる

これらは何よりも重要であり他の装備よりも優先的に調達しておきたい

特にゴーグル、フェイスガード、ヘルメットは信頼の置けるメーカー製を選ぶべきでありサバゲーショップで調達すれば安泰である

また筆者の儀式としてそれらは調達した後にエアガンで射撃してみて耐久性を確認する事を行っている、それを行うことで直感的な安心感を感じられるからである


基底装備

基底にある基本装備で、ファーストラインベルト、プレートキャリアー等他のポーチ類等を装着できる装備である、身体側に一番近い場所に装着しそれの上に装備を乗せるものと考えればいい

これらがあると装備を一纏めに出来るので装備品の紛失が少なくなる

先ず購入、調達する際にサイズ感やフィット感を確認しておくこと

多少の融通は効くが、装備類と体格の差がありすぎたり特定の箇所に負荷がかかると装着していて疲労感が溜まることがある

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