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12.ORIENTATION Act.1

 吾妻円はしばらく忙しい日々を送っていた。日中には講義とバイトを、夜間には自主的なトレーニングとサバゲーの研究を行う。給料日にはまだ遠く財布の中身は心もとないためトレーニングは主にランニングやプランク等機材を使用しないものを中心とし、サバゲーの研究は動画配信サイトを見てわからないことをネットで調べノートにまとめることを行った。

 この前のサバゲーの反省点で体力が無いこともそうであったが何よりもサバゲーやエアガンに対しあまりにも知識が乏しく流行にも詳しくない。それは円は新歓の時もバイト研修の時も感じていた。故に貪欲にスポンジに水を沁みこませるかごとく知識を収集しそのために様々な動画を視聴する事に熱を向けていた。新装備の発表動画からフィールドの定点カメラまで一通り観て新たな発見や知見を得てわからない事があらば調べ、自らの言葉でそれらの発見や気づきをノートに残す。これも重要な作業だ。

 その中でヒーローズという動画配信者(tuber)がサバゲー界隈で特に有名である事を知った、少なくとも他の配信者の動画と比べ最新動画の視聴回数が2桁も違っている事から支持率がかなり高いのであろう。故にヒーローズの動画も当然視聴すべくページに飛ぶがバナー画像には新歓で円を追放して前回のサバゲーの時に仲裁を行ったデザインヒゲの男がいた。それ以外にも5人の男たちが愛銃と顔が映るようにバナー画像は加工されていた。

 一瞬、ほんの一瞬だけ新歓の記憶が脳裏に過りブラウザバックをしようと指が動いたが同時にどの様な動画を作っているのかという興味が勝って動画を視聴することとなった。

 直近で一番視聴回数が多い「新メンバー発表!」という動画を見る。サムネイルは2人の男に囲まれた白い髪らしき人物のモザイクにかかっていた。

 その動画を視聴した直後にサバゲーに関係ないことに気づいたが動画はすでに始まっていた。 

 デザインヒゲの「ユキ」が進行を行い天然パーマでメガネの「カズノリ」と撮影役で声あてしながらツッコミを入れるの「ハル」の素人漫才を数分見させられる、漫才の内容から「ゲーム配信者」「女性人気が高い」「顔は可愛い系」「性格はロック」「今年18歳」との情報が出てきた。


「若宮くんだ」


 そこに円の見知った顔が映っていた。去年まで円の同級生であった若宮ツカサという人物が映っていた、卒業時と比べると髪色は銀髪になっていて耳には派手なピアスをつけていて「ツカサくん」と呼ばれていた。

 同級生で同じクラスであったがツカサは仲間とワイワイやっていたらしい、一方円は基本ぼっちだった。それでも受け入れられていた理由は円の性格が良かったのと人畜無害な優等生であったからだ。

 そこからしばらく見ていると「ではここから本編開始」とユキが仕切り皆が効果音と共にジャンプでワープする。そしてまたCMが入りCM明けに着地をして見たことのないガンショップの前に皆で着地する。

 そのガンショップはLIMITLESSという看板がありガンショップというよりか高級ブランド店みたいな佇まいであった。


「今日はLIMITLESSさんにお邪魔してます」


 ハルがそう言うとLIMITLESS(リミットレス)という店の説明がなされた。素人漫才の内容を要約すると高級フルオーダー専門のエアガンショップとのことだ。見た感じで言うと他の店と違うところは店内がガンショップというよりか高級ホテルのフロントかラウンジといった感じなのと従業員が明らかに顔で選んだような美女ばかりというところだ。


「実はですね、ツカサ君の加入は去年の後半には既には決まっていまして去年の年末にツカサ君のガンの注文をしていたんですよ、それで今日はそれの引き取りに来ました。カズノリ解説任せた」


 ハルが声あてをしながら説明を行う。美人の店員の大きな胸元からガラスケースの上でガンケースを展開してカメラが下を向いてそれを写す、中にはマグプルPDRが入っていた。


「ハイ、任されました。こちらのガンお値段はなんとベース代抜き税込みで52万飛んで5800円! ベースはツカサ君の要望でマグプルPDRを用意しましてメカボックスはLIMITLESSのダブルプラスに……」


 そこからつらつらとエアガンの説明が続く、カズノリの説明内容としてはギア類やメカボックスをチタン製にしギア類をアラミド製に変えバレルを高精度のものに配線とバッテリーコネクタをTX30コネクタという高電圧対応型の黄色いコネクタにしつつ、LIMITLESS製の電子トリガーを組み込んだものでカズノリがツカサから意見を聞いて設計したものを注文したらしい。

 ただ円が一番驚いたのが値段であった。この前テツ兄に買ってもらった諸々の総額の10倍以上の値段であった。


「ここは純正のエクステンショングリップをつけて操作性とバッテリー収納率を高めました」


 カズノリは銃を抱えてグリップ底の蓋を開ける。そこには見たことのないタイプのコネクターが見えた。


「更にスコープはLIMITLESS製ACOGのTA01のレプリカを載せております。なんとこれ実物と同じ製法、材質で作られたLIMITLESS専売のエアガン向け製品なんですよね、こちらの方お値段税込みで14万3000円、お求めはLIMITLESSまで! これからお披露目に入りたいと思います」


 またCMを見てそこでようやくツカサの登場だ、ツカサはアイウェア型のゴーグルをかけていて既にPDRは射撃準備が整っているみたいであった。それが正面から見えマグプルPDRとツカサの顔が両方一度に見えるアングルで映り射撃を行う、それから2カメでツカサの左側から顔と銃が見えるような別アングルで同じシーンが映った。手元をみるとややガク引き気味でトリガーを引いていたが、円だって同じもの(初心者)なので気づいただけでそこにツッコミは入れなかった。

 その後にはユキとカズノリとツカサの懇談会がしばらく続く。元々ツカサはゲーム配信者で円の知らないFPSゲーム内でランカーであり界隈では有名人だったそうだ。これからはメインチャンネルとHEROESの二足のわらじで「一流に」のし上がっていくとツカサは決意表明した。

 円はふと学校の後輩がゲームが好きだったことを思い出した、ある日部室でパソコンの部品を持ち込んで自作パソコンを組みはじめたかと思ったらそれを映像編集用と言い張り部室内でベンチマークテストという名目で堂々とゲームをしていた子だ。

 そんな事を思い出していると動画は既に終わっていた。

 円はノートを取り出した、そこには事細かに部長と会った日からのサバゲーの事が事細かに自分の言葉で書かれている。それは誰かから教えてもらった事だったり、みんなが知ってる常識だったり、少ないものの円自身が見つけた発見や思ったこともある。それを開いて今日の座学のまとめを書き記す。

 そして急に筆がとまった。前に見たフラッシュライトの比較インプレッション動画では各装備装備の性能がわかりやすく、円なりの利点と欠点もわかりそこそこの見聞を得られたが、最後に見たHEROESの動画からはほぼ何の情報も得られなかった。エアガンのカスタム内容も凄いことはわかるが何を変えたらどう良くなったのかがフィーリングですら詳しく語られておらずLIMITLESSというショップが高級店でチタン、アラミド等の上質な部品を使ってるという事と持ち込みのエアガンのカスタムの他にAR系統も自社製フレームなどがある事ぐらいしか情報を得られなかった。だいぶ悩んでから装備の紹介シーンを見直してLIMITLESSの事とPDRを観察しPDRの良さそうな部分、シンプルな操作性とP90に匹敵する小ささ、P90とは違いリロードのしやすいSTANAGマガジンを使える部分を書きツカサもサバゲーを始めたと欄外に書いた。

 日課にしているその作業のついでに大学のメールアドレスにログインして大学からのお知らせを確認する。これも日課だ。

 1件気になるメールがあった。講師からの提出済みの提出物の確認メールと生協の商品案内のメールの間に見知らぬ相手からのメールであった。「新入生のフェローシップ制度についての案内」とタイトルが書かれていた。

 それを開いてみると、大学の3年生である真壁まりという人物からのメールであった。


 はじめまして吾妻円様、フェローシップ運営委員の真壁まりと申します。

 さて、当学で行われている新入生フェローシップ制度オリエンテーションへの参加を承りたく連絡させていただきました。

 新入生フェローシップ制度とは新入生と上級生との隔たりを低くすべく行われる学生主導の交流会であり今回のオリエンテーションは新入生と上級生のエアガンを用いたサバイバルゲームを予定しております。


 その後には参加日時や集合場所、フェローシップ制度運営委員の連絡先などが載っていた。場所はモービルパークというレクリエーション施設で大学から貸切バスで行くそうだ。サバイバルゲームをやるという事でもちろん参加だ。銃や装備を持ってる旨を説明してからパソコンを閉じてベッドに入る。


――――――――――――――――――――――――


 後藤希はオリエンテーションのメールを見てゲンナリした。大学、デッカーズ、計画、それに加えハマってるサバイバルFPSのランク上げやレトロゲームも堪能しなければならないし何より重要なのがサバゲーの訓練やトレーニングをしないといけない。

 しかしコレに関しては断れない事情があった、メールを受け取りタイトルだけ見て放置した翌日に、鏡子からオリエンテーションに出席する江崎グリコの警護のために出席するように直接命令されたからだ。

 その件に関し出席の旨を返信した。それが先週のこと。

 サバイバルFPSのランク上げの合間に希は江崎グリコの人物像を把握すべくマツケンの指導の元の様々な番組とついでにベスト盤のアルバムをマツケンと聞いた。世間の評判の「不真面目系」というのは確かに間違いではなかった。どの番組でも気だるそうな笑顔で、真面目な質問も際どい質問も適当な返答でのらりくらりと返す。希が独りで番組等を見てたならば江崎グリコという人物に対しての造形はそこで終わっていたが、横にいるマツケンの熱弁もとい解説を聞いて納得した。江崎グリコはアイドル活動においてかなり真摯かつ精力的な活動を行っていてなおかつ頭の回転も早い。

 先ず己のキャラクター性や評価である「不真面目系」というスタンスをどこでも崩していない。どこでもけだるげながらもはっきりと聞こえる通った声で受け答えを演じ歌う。何よりアイドルという立場に胡座をかいておらず、歌唱力も個性的ながらも聴き心地のいい歌声で、グループ6で制作したドラマの準主役の演技も良かったし原作ありのアニメにもサブキャラとして出演していたがキャラと声がマッチしていてその演技には心地よさすらも覚えた、バラエティでも新人と呼ばれる立場でありながらも大物と呼ばれるタレントにも物怖じせず物言いをしなおかつ相手を立てた発言も出来る。

 特にそれが顕著なのがサバテレの初心者向けコーナーで、ベテランサバゲーマーでメインMCがテレビ出身でないためサブMCのグリコが的確な質問や疑問、ツッコミを投げメインMCがそれに回答するという番組進行である。

 で、あればますますサバゲーに固執してるのが謎であった。サバゲー系以外の仕事のほうが圧倒的に多くギャラも良いだろうに江崎グリコといえばサバゲー系アイドルというのが世間一般の認識であった。

 マツケンは「サバゲーが好きなんだろう」と適当な推理を披露した。

 それが先週のこと。


「おはよう、後藤ちゃん」


 今、待ち合わせ場所の学生駐車場ベンチで様々な思案を巡らせていると目の前に江崎グリコが立っていた。目の前をマネージャーのライトバンが走り去っていく。


「おはよう……ございまス。江崎サン」


「今日一日たのんだ」


 グリコはもはや挨拶となっている拳合わせを行い希もそれに返す。

 先々週の学内を案内した時から既に噂の的になっていて、それ(・・)目当てで希に接触してくる者すらもいた。

 ただ一週間もすればまた日常に戻ってしまった、その理由はグリコの泰然自若っぷりにあった。ファンサービス自体を行わず自分が有名人である素振りを一切見せないばかりか芸名と本名がちがい学生証にも本名が描かれていたことから「別人」と堂々と言ってのけた。そしてたった一週間で大学に溶け込んでしまったのだ。今では希よりも友達が多いぐらいだ。

 なのでここにいても学内で目立つ人物がアイドルとよく似た子、程度の認識しか周りは抱いていなかった。

 故にいつも一緒にいる希はグリコの友達の1人というポジションに収まっている、希の思っていた以上に普通の関係性を維持できていた。


「クルマ、どれ?」


 希は自分の乗ってきた車の前まで向かった。前回のヴィヴィオと違いそこには白いジムニーがあった。

 前日まで鏡子はマツケンのマークX(セダン)をマツケンは鏡子のヴィヴィオ(軽自動車)を使うと思いこんでいて前日まで思い込みからすり合わせが出来ておらず。計画で使用できる当日抑えられる空いている機材なく、都合があり外部のレンタカー等も使えず、希も自分の車を持っていたほうがいいとの事で急遽このジムニーを充てがわれた。一見するとリフトアップされておらずウインチやリアヒッチ、ロールバー等のカスタムパーツが装着されていない一世代前のノーマルだがリアの窓枠がバーゲージで囲われていて座席がなく、荷室に仕切りがされている貨物自動車扱いで元は郵便用であった。マツケンと出向いた計画と懇意にしているヤードで即乗り出し可で売れるクルマがこれしか無かったのだ。元は真っ赤で色もくすんでいて剥がれた郵便局のマークが浮かんでいたが希の希望で色は白く塗り替えてもらった。

 グリコは助手席に座ると。「今日はタカヤのアホいないからのびのびできるな……」とつぶやいてからすぐに眠ってしまった。


――――――――――――――――――――――――


 円はオリエンテーションに行くために貸切バスに乗っていた、バスは通路を挟んで左右2席のよくある観光バスで窓際の円の隣にはハジメという人物が乗っていた。自分の事を「ハジメちゃん」と自称し小柄な綺麗なオレンジのグラデーションが入った金髪の子で若干落ち着きが無いものの目鼻立ちがとても整っていて一言で言えば愛嬌のある可愛らしい人好きのする人物であった。


「それでゴン太くん(・・・・・)は、どんな銃を持ってきたのだ?」


 ハジメは明るく通る声で喋り、円の事を何故か「ゴン太くん」と呼ぶ。


「タクティカルマスターとP90だよ」


「マルイのP90はバレルと全長の比率が高いいい銃なのだな! カスタムはしてるのか?」


「してないよ」


 話を聞いているとハジメはエアガンのカスタマイズが得意で、今日持ってきたエアガンもカスタムした狙撃用のステアーAUGであるとのことだ。

 円はふと思い立ち前日のヒーローズの動画の件を聞いた。


「……って事らしいんだけど、初心者だからまだよくわからなくて」


 先程までの落ち着きの無さから一転しハジメは真面目に円の話を聴いていた。


「動画を見せるのだ」


 円はハジメに自分のスマホで動画のURLを開いて渡した。ハジメはバックからタブレット端末を取り出しその動画を検索する。

 ハジメはイヤホンをつけてしばらく食い入るように2倍速と0.5倍速を使い分けて動画を視聴してから口を開く。


「ひでーうんこなのだな、ガンが可愛そうなのだ」


「具体的には?」


「ここ」


 円はハジメのタブレットを借りて見る。停止された画像はそこはグリップ裏のコネクターを見せているシーンだ。黄色いコネクターが目立つシーンからコマ送りで少し戻す。


「良く見るのだ、奥にもう1つコネクタ(・・・・・・)が見えるのだ」


 暗くて見えづらいが円はハジメが指差す辺り、エアガンの奥の暗がりにかすかに映る黄色いTX30コネクタと違うくすんだ黄色いなにかを確認した。そこからはケーブルが2本伸びていてバッテリーのTX30コネクタに繋がっている。


「配線剥がしてつなぎ直してるわけじゃなくて変換コネクタ噛ませてTX30にしてるのだな」


「これ何が問題なの?」


 何も知らない円はハジメに質問した。


「変換コネクタの部分は多分ミニコネで10Aしか通せねーのだ、TX30使ってるってことは相当電流や電圧のデカいバッテリー使うってことだからこの10Aしか通せないミニコネの部分がボトルネックになるのだ」


 簡単に説明するなら4車線道路をクルマが渋滞なく沢山走ってるところに急に2車線になりクルマの渋滞が発生する。ハジメが先に説明した電流がクルマの流れで変換のコネクタのミニコネが2車線区間である。こうなると電流の効率が良くないし2車線区間で電気が熱を持って最悪発火してしまう。


「それと音からしてフェライト磁石モーターを使っているのだな」


「それは何が問題なの?」


「フェライト磁石モーターはトルクが弱くて低い電圧向けで仮に組み込むなら中身を全部調整(フィッティング)した上で使えるモーターなのだ。東京マルイの新品箱出しファクトリーフレッシュとかなら一定の性能を出せるけど逆にコネクタを噛ませてまでTX30とつなぐ必要がね-のだ」


「つまり組み合わせが悪いと?」


「そう、カスタムの目的意識がわかんねーのだな」


「目的意識?」


「そーなのだ、カスタムってのは連射速度上げたいとか精度を上げたいとかブルパップ化したいみたいな強化後のイメージが必要なのだ。そのイメージをある程度決めてそれを達成するのにはじめて何をすればそれができるのか考えるのだ。チタンだのアラミドだの言ってるけどエアガンはかっこよくて当たればいいのだ」


「なるほど」


 円はハジメの言っている事に納得しヒーローズの動画に覚えた違和感の理由に気づいた。カスタムするためにパーツを組み込むのではなくてパーツを組み込むためにカスタムしてるのだ。口頭で説明された高い部品類だってそうだ、組み込んで何が良くなったのかツカサにもカズノリにもわからない。それはカスタムのコンセプトが性能ではなくて高い費用を支払わせる部分に向いているからだ。

 その発見に対し理解を示した直後に円は恐怖した。よくわからないものに大金(50万)も費やすなんて正気の沙汰でなかった。


「こんなふうに何もわんねーヤツは大人しく箱出しでも使って、困った時にその都度解決すればいいのだな」


「色々おしえておしえてありがとう、これ実は友達なんだ」


「天パと?」


「髪の毛が白い方」


そいつ(・・・)後ろにいるのだ」


 窓側にいたハジメは後ろを指差す、座席越しに後ろを見ると最後列に女子に囲まれている帽子を被った人物がいてよく見るとツカサであった。

 その後にハジメとエアガン談義から最近流行ってるらしいサバイバルガンアクション漫画の話を聞かされた。漫画には人並みであまり詳しくないのだが円の学校の後輩が漫画が好きで、部室の一角に資料名目で様々な漫画を置きそれを借りて読みあまつさえは自分で描いた原稿も読んだ経験から話しに付き合った。

 バスはモービルパークに到着し皆降りた。円はツカサに挨拶をすべく待った。


「やあ、若宮くん」


「ゲッ」


 円は旧友に挨拶をしツカサは天敵に会った反応をする。


「誰?」

 

 取り巻きの女子がツカサに聞く。


「あ、ああ。新歓の時に泣いて逃げた(・・・・・・)カスだよ。行こうぜ」


 ツカサはそう言うと取り巻き達と去っていった。


「大学デビューってヤツなのだな」


 ハジメが冷めた目でツカサを見送る。

 円は傷心しながらも荷物を運びながらでツカサに対し嫌われることをしたか自己反省しつつツカサがああなった理由(・・)も考えた。


「あ、吾妻君!」


 目の前には加藤たまきがFJクルーザーがの助手席から顔を出していた。助手席には加藤拓郎が乗っていたが特徴的なハーフミラーのサングラスが眩しい。FJクルーザーが駐車場に停車してからたまきは降車し円に挨拶をする。

 加藤は円に会釈してそのまま帰っていった。多分これからデッカーズでの仕事であろう。


「吾妻君も来てたんだ」


「先週案内が来たんだ」


「このオリエンテーションってバーベキューとレクリエーションのサバゲーが出来るんだって、お肉楽しみだね!」


「サバゲーじゃないの?」


 円はたまきにツッコミを入れて歩く、たまきは「いや、お肉は絶対だよ!」と真顔で答える、目の前に後藤希と江崎グリコが現れる。


「吾妻サンも来てたんだ」


「後藤さんと……」


「阿賀野みゆき、改めて(・・・)よろしく」


 円が言いよどむと江崎グリコこと阿賀野みゆきが自己紹介する。円の認識では希の大学での友達で、いわゆる友達の友達で名前を知らない。


「はじめまして! わたし、加藤たまきです。よろしくおねがいします!」


 たまきが勢いよくお辞儀をする。円の知り合いとの事で希もグリコも挨拶を返す。


「ゴン太くん見つけたのだ!」


 いきなりハジメが現れて円の裾を引っ張る。


「50メートル超えのシューティングレンジなのだ! すげーのだ! すぐ行くのだ!」


「え! シューティングレンジ50メートルもあるの!」


 たまきが50メートルという言葉に反応し「じゃあね」と言ってハジメと連れ立ってシューティングレンジへ向かった。


「んで2人はどういう関係?」


 グリコが円と希に聞いた。


「ふえっ!? エト、友達……デス」


「ふーん」


 グリコ含み笑いをして希の右側に円をくっつけ自身は希の反対側に陣取り希を取り囲むように3人でモービルパークを散策した。フィールドが3つとシューティングレンジ、キャンプサイトやバーベキューエリア等があった。

 散策を終えると集合時間になり芝生の広場に皆集まった。集合した後に新入生数名に対し上級生1名がフェローシップとして振り分けがされた。


「真壁まりです。えっと、その……はじめましてじゃ……ないですよね」


 円にはメールをくれた真壁まりと名乗った上級生があてがわれた。真壁という名前ではわからなかったが前回のサバゲーの際にフィールドを手配した人物だった。前回と同じく猫背気味で大判のメガネをかけた大人しめな上級生だった。


「その……この前(・・・)のことあったから気まずいですよね……ハハ……誰かと代わりますか?」


「大丈夫ですよ、今日は楽しみましょう」


「えっと……もう1人任されてたんですけど、英一(えいいち)さん? って人が見つからなくて……」


 円はその人物に心当たりがあった。バスで隣の座席に座っていた「ハジメちゃん」だ。特徴的な金髪なので探していてすぐ見つかった。

 ハジメは何故か新堂エリと希とグリコと一緒にいた。


「ハジメちゃん、迎えに来たよ」


「あぁごめんなさいその子わたしのたん、と……あッ!」


 円を追っていた真壁は何か躓く、新堂がそれを両手でキャッチする。


「あ、このおねーさんだ。新堂ちゃんありがとなのだ」


「全く、人の顔と名前ぐらい良く覚えておきなさい」


「なーにわちゃわちゃやってんだよ」


 振り返ると田所ヨウと彼女に連れられたたまきと出会う。


「ヨウちゃんも来てたんだ」


「ああ、これ上級生側は単位貰えんだよ。いいだろーサバゲーしながら単位貰えるのって」


「ヨウちゃんらしいよねー」


 たまきは苦笑いをして場を和ませる。ほぼほぼ顔見知りばかりなので円は安心している。


――――――――――――――――――――――――


「おーおー、さーすがまりちゃん。手際(・・)がいいねぇー」


 陸奥ハルトは眼下にいるサバゲーマー達を物色している。

 モービルパークの端にある丘の上のコテージ群の一つにヒーローズがバーベキューを楽しんでいた。メンバーはハルト以外は、里見ユキヲ、K2、スタンの計4人だ。本来であればハルトとユキヲの2名で十分なのだがK2とスタンをご意見番という名目で呼びつつバーベキューグリルと行き帰りを任せて、自分たちはサマーベッドで寝そべって据え膳上げ膳の高みの見物だ。

 今回の主要な目的は新規メンバーのリクルートのための調査である。

 上級生の中にはヒーローズの息のかかった者が何名かいてそれらが有望株のフェローシップとなっている。フェローシップの運営に不自然に思われないよう真壁まりが上手い具合に振り分けてくれた。


「今日はまったりいきましょうや」


 ハルトはクーラーボックスから自分とユキヲ用のハイネケン(缶ビール)を取り出して机に置く。


「目当ては?」


 ハルトからそう聞かれたユキヲは分厚いファイルを取り出してハルトに渡す。前回のミーティングで論議した数名が入っているがその中には吾妻円のファイルはなかった。


「キムくん、焼けたら適当に肉こっちにちょうだーい」


 後ろの美味しそうな肉の焼ける匂いが気になったハルトはK2に肉をねだる。


「サンドイッチにしておいてやる」


「流石、我らがグリルマスター」


 ハルトは調子のいいことをいいつつK2を立てながらハイネケン(缶ビール)片手に話に戻る。


「そのファイルの中にいるのは全員点呼済みってまりから連絡は来てる」

「んで、判別方法は?」


 ハルトは一番気になっていた事を聞く、目視とはいえ豆粒よりマシな程度の大きさで誰が誰だがわかった物じゃない。


戦闘(C)識別(I)パネル(P)入のマーカー使っててそれで判別&随時誰が出てるか連絡が来る予定。双眼鏡使ってみろ」


 ハルトはユキヲから渡された双眼鏡を覗いた。すると遠くにいる人物の腕部が不自然に青くナンバリングされているのがわかる。それ以外にもエアガンらしき物には緑色の外枠がついていて下部には距離が映ってる。


「なにこの双眼鏡。すごいね」


「Xバンドレーダー。米国の軍需ベンチャーが開発した物でな、AI補正でCIPは青く表示して銃は銃口がこっち向いてるのが赤、そうじゃないのが緑で表示されるんだと。仕入れるのに結構高くついた」


 ユキヲはそう言うと自分用の双眼鏡を取り出した。ハルトは新しいおもちゃで遊ぶ子供のように色々な機能を試しそして意中の相手(吾妻円)を探しだした。まりと事前に打ち合わせしていたとおりにしてくれている。さすが我らがマネージャー。


「ユキは1番から10番、俺は10番から20番までな」


 ハルトとユキヲはそれぞれ手元にチェックボードを用意している。


――――――――――――――――――――――――


 開会宣言の後にラジオ体操を行いその後にチーム分けが行われ2チームにわかれた。円たちはに赤チームに配属された、そこには真壁とハジメ以外にもツカサとその取り巻き達をはじめとした24組計72名のメンバーがいた。新入生は内49名だ。円が見るにこの中で特に目立っていたのが足首にかかるぐらい長いロングコートを着たセミロングヘアの目付きの鋭い女子、明らかにベテラン風のこの場では上級生も含めての最年長でサングラスをかけている自衛隊装備の男、その男のバディのテンガロンハットを目深にかぶったウェスタン風の男3名だ。


「じゃあ新入生は各自自己紹介していってください」


 まとめ役の上級生が手を叩いて新入生たちに自己紹介を促す。


「吾妻円です、よろし」


「そいつサバゲー部の新歓の時に泣いて逃げたカスやぞ」


 ツカサからの野次が飛ぶ。


「ええ、そのような至らない初心者ですのでどうか皆さんご指導のほどよろしくおねがいします」


 新歓の時と違い円は落ち着いて自己紹介を終える。何人か挟んだ後にツカサの自己紹介に移った。


「若宮ツカサだ、そこのカスと違ってサバゲー界でものし上がる覚悟してるんでお前らよろしく」


 一瞬場が白けるが、まとめ役が気を利かせ次の女の子に紹介を回す。この時期にしては少々厚手なロングコートを着た目付きの鋭い彼女は無表情で「河野サキ……よろしく」とだけ座ったままで簡潔な自己紹介を行いまとめ役は次の自己紹介を促す。


「はじめまして! 社会人入学一年生の、松永広和、今年で26歳、趣味はサバイバルゲーム、家族構成は妻はパソコンと漫画の中に多数です!」


 松永がそう言うと皆どっと笑った。


「辺見保という名前があるが、この場ではどうかヘンリーと呼んでほしい。レディと勝利の女神を追いかけるのが得意だ」


 テンガロンハットを脱いで気取った一例をしてから落ち着いた声でヘンリーは自己紹介をする顔は濃ゆいながらも端正な顔立ちであった。これにもまた皆笑う。

 そうして自己紹介は終わりゲームの支度に入った。円は前回のミスを繰り返さないようにマガジンへの装填を確認してからマガジンを挿さずに置いておく。比較的手早く終わったので周りの銃を見る。

 ハジメが持ってきたのはG3のカスタム銃らしくグリップとストックはPSG-1、ボディはNC-51でやたら大きい光学機器とその光学機器に接続されているスマートフォンが目立つ銃であった。

 服装から察したものの松永はダットサイトが装着された89式とSIGP220かと思ったがよく見るとP226、ヘンリーはシングルアクションアーミーであった。

 最初のゲームは顔合わせの新入生、上級生一緒の殲滅戦が選ばれた。殲滅戦は時間内に相手を全て倒すか時間が過ぎて生存しているサバゲーマーの多いほうが勝ちになるゲームルールだ。

 支度を終わらせ皆で赤チームとしてフィールドに入る、円は様子見としてP90を持って行く事にした。


――――――――――――――――――――――――


 エリに率いられた希とグリコは最初は黄色チームとしてフィールドにいた。

 希はいつもと同じMP5kとスタームルガー、エリはAA-12とサイドアームのハンドガン、グリコはLIMITLESSからスポンサー提供してもらったARカービンだけであった。

 開始のブザーが鳴りベテランの突撃組が素早い移動をはじめそれに続くように初心者が恐る恐るついていくる。グリコは慌てた様子もなく初心者組の最後方に位置して一緒に移動をする。既に血の気の多い最前線同士が撃ち合いをしているらしい。グリコはそれを不用意に覗くことすらせずに初心者組の最後尾で待機した。

 グリコは後方についていた希に「後藤ちゃん」と話しかける。


「行くよ」


 グリコはそう言うと初心者組をすっ飛ばして交戦区域(キルゾーン)に突撃した。撃たれると思ったものの背を低くし障害物伝いでなく最短距離で突撃し障害物でなく先行していた味方を2人を盾にして無理くり最前線に着岸しバリケード裏に隠れていた相手に狙いどころか目視すらつけず至近距離で1発当てバリケードの内側に陣取り一息つく、希も慌てて追跡しようとするが混乱から回復した相手に集中砲火を受け交戦区域(キルゾーン)のど真ん中で立ち往生する、幸いいい感じの廃車(バリケード)があったのでそこに身を隠す。

 グリコは希を放置しそのまま敵陣奥へ強襲を仕掛ける、何人かセミオートで倒した後にテンガロンハットを被ってポンチョを羽織った男が現れる、男は銃を構えずに通路の真ん中に立っていた。グリコはテンガロンハットと正面で相対する、距離にして10メートル弱。この時点でテンガロンハットが狩られる側じゃなくて狩る側とグリコは察した。

 しばらくの沈黙。

 テンガロンハットがリボルバーを抜く少し前にグリコの脚は動いた。

 テンガロンハットはたしかにグリコを正中に狙って銃を抜いた、しかしその場にグリコはいなかった。

 グリコは身を低くして右側から急接近する。腰だめ撃ちで狙いすますがそこ(・・)にはグリコはいなかった、巻き上がった砂埃だけが虚しくその場に残っていた。グリコは急接近した後に全身のバネを使い方向転換を行い左側へと飛んでいき着地と同時に脚を使って向かってくる、速い。それは歩みや走りではなく、もはや低空を跳躍しているといっても過言ではない、グースステップみたいなフェイントを織り交ぜた動きだと直感的に感じ取った。しかし意地があったのが1発グリコに向けて撃つが、それはグリコの飛ぶ軌道のはるか後ろを虚しく弾いただけであった。そしてテンガロンハットの目の前にはARのマズルがありこの時点で勝負は決していた。


「やるな……」


「どうも」


 グリコはARで相手の胸元を小突いて「フリーズ」と言った。いわゆるフリーズコールというヤツだ。相手は両手を上げた。

 フリーズコールとは極端に接近した相手を射撃によって不用意に傷つけないためのマナーといえる、基本的に「フリーズ」と言い受け入れられてはじめて認められる。フィールドによっては禁止ないし運用に制限されている場合があるが今回はルール説明の際に質問し有効であると回答を得た。

 言葉を交わした直後にそこを狙いすましたかのように集中砲火を受ける。背を向けていたテンガロンハットはそれの餌食になったもののグリコは脚のバネを使い側転でバリケードに隠れる。集中砲火をした相手は銀髪の男に連れられた数名の軍団だ。構え方がなってない素人そのものだったが今のグリコに為すすべはないため撤退をする。

 その道中に押し込まれた前線から撤退してきたであろう自衛隊装備の男とばったり会う、自衛隊装備はサイドアームを抜くがその時点でワンテンポ早く後方の障害物に隠れる。サイドアームを抜いた時点で自衛隊装備も狩る側になった。

 89式に持ち直して裏取りをしてきた自衛隊装備に対し裏取りを予測していたかのように正面から相手の背後を突き、無防備な背中を小突いて「フリーズ」と言う。


「してやられたなァ」


「ま、次頑張れ」


 自衛隊装備はそう呟くと撤収をした。

 グリコの手繰るARカービンの残弾数は未だ9割以上の余裕は残ってる。理由は牽制射撃を行わず撃つ時はセミオートで必中、そしてフリーズコールを多用していたからだ。グリコは次は誰がいいか考えていた。

 すると目の前にゆらりと陽炎の如く何者かが現れる。その気配の薄さとは逆に安ゴーグルと越しにもわかるような鋭い視線でグリコを見る。彼女の手にはP90が握られていた。

 グリコが後方で撹乱しつつ空けた大穴から攻め込まれてる時点で赤チームの敗北はほぼ確実で、現状は掃討戦の様となっている、この時点で生き残っている事からも彼女もまた狩る側(・・・)の人間であった。

 P90を持った彼女は正面を向けてグリコを見据える。距離にして15メートル、遠くはないがグリコにとって戦うには少々しょっぱい距離だ。グリコは先手を打ち姿勢を低くして急接近を試みる。

 次の瞬間身体の向きをわずかに動かし足を上げた。その動きは移動や姿勢の変更でなくただ単に膝を上げる動きだ。

 そしてグリコは次の瞬間真正面(・・・)からヒットを取られていた。相手は銃を構えてすらいなかった。


――――――――――――――――――――――――


 円はまりとハジメと入り口近くのバリケードで籠城していた。ハジメが光学機器の設定に手間取っていたおかげで最後尾に位置し結果として今まで生存していた。ハジメのAUGはバレルが伸びたA2タイプでマウントレイルの上には見たことのないかなり大きい光学機器が載っていたOICW(ハイテク)タイプのアサルトライフルに乗っているような電子制御されているたいぷの光学機器であった。

 P90で牽制射撃を行うが1発撃つたびに複数の銃口から集中砲火を受ける、相手は3箇所のバリケードに分散して包囲していた。

 今まで3人共無事な理由はまりの的確な指示に従った事と相手がバリケード同士で連携を取っておらず自らが危険を冒して撃たれるのは誰もゴメンで突撃ではなく消極的な包囲網との撃ち合いに持ち込めた事と相手サバゲーマーの練度が円と同程度の3点が重なった結果であった。

 即席の連携も突撃による制圧すら行えずそれぞれが好きなタイミングで攻撃を行っていて十字砲火に最適な配置ながらも効果的な制圧射撃すらも行えず障害物への身の隠しかたも拙く、円はわずかにはみ出していた部分を狙って1回ヒットを取った。

 帰っていく友軍すらも見えなくなり暇を持て余した相手が最後の獲物と大量に押し寄せてくる。絶体絶命かと思われたもののこの時点で時間切れとなった。戦術的敗北。

 セーフティに帰ってきた者は円達3人の他にはごく少数であった。

 マガジンを外しバケツに空撃ちしてエアガンから弾を抜くそうしてからフィールドから出ようとするが、最後尾を歩いていたまりがBB弾に足をとられ滑っていった。円はとっさに滑りゆくまりの手を両手で掴んだ。体格差からそのまま引きずられそうになるが鍛えていたおかげか足元に深い轍を作ってなんとか抑えられた。


「あ、ありがとう……」


 まりは可愛らしい声で感謝してから円からとっさに離れた。円は落ちたP90を拾い上げるとストック部分にかなり目立つ傷ができていた。


「自分の銃すら大切に扱えないなんてカスやんけ」


 ツカサは遠くで取り巻き達と円の事を揶揄していてその言葉でようやく顕に買ってもらった銃を台無しにしてしまった事実に気づいた。

サバゲー解説


エアガンのカスタムについて


基本的にどのメーカーのエアガンも基本推奨していない

しかしエアガン趣味やサバゲーをしていると行う必要が出てくる可能性が高いのも事実であるのでカスタムする際に注意すべき点を挙げていく


適法であるか

エアガンとはつまりは銃のおもちゃである、その銃のおもちゃを持つにあたって様々なルールが課される事は読者諸氏は周知の事実であると思われる

カスタムするにあたって注意したいのは、適法であるか否か

先ずはパワーオーバー、法的基準の0.989J以外にもフィールド毎にハウスルールで決められたパワーも存在し、バレルやピストン、モーター、ガスバルブ等何も考えずに矢継ぎ早に性能がいいものを付け足すと超える可能性がある。特にパワーを伸ばしやすい電動ガンで注意したい

次にはパワー以外の法律を遵守しているか

パワー以外にも気をつけるべきところは、真正拳銃であるか否かという部分になる

これで特に注意したいのは金属フレーム、金属スライドを併せたガスブローバックガンは真正拳銃になってしまう事と、頑張って個人輸入したパーツが真正拳銃扱いになってしまう可能性があることに留意していただきたい。特にガスブローバックハンドガンで注意したい


コンセプトを決める

これは重要な事でカスタムのコンセプトを決めないとアレもしたいコレもあったほうがいいで無尽蔵に資金が減り買ったはいいものの装着できないカスタムパーツばかり増えてしまうし最悪無軌道にカスタムした結果エアガンが二度と撃てない状態になる

最終的なエアガンの終着点というよりも、今回のカスタムでエアガンや持ち主である読者諸氏にとって必要な事ややりたい事、また予算やスキルなどから決めて部品やパーツ集めをするといい


基本的にパーツはすんなり嵌まらない物と考える

さてここまで決めて、ガンショップや通信販売などでカスタムパーツを買ったとしよう。そして意気揚々と装着するがはままらない事があるが慌てないでほしい。サバゲー界隈では日常茶飯事であるからだ

主にパーツの工作精度が甘いため装着できない場合と、そのパーツがベースとなるエアガンには非対応である場合がある

前者であればパーツの小改造である程度対応は可能であるが後者の場合だと対応するエアガンを買ったほうが安上がりな事もある


カスタムしたら元の状態に戻せないと思うこと

あまり多くないと思うがカスタムガンをノーマルに戻すという作業は苦行である

またノーマルのパーツをキレイに保管していてもカスタムする際に破損、紛失等をしている可能性もありまたカスタムする際に壊さないとアクセスできない部品やカスタムする際に部品の切断などをした場合もあるであろう

今一度カスタムの必要があるか考え、ノーマルが欲しいならカスタムする前にノーマルをもう1本買っておくのもテである

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