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Wine・Red  作者: 雪白鴉
五章
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68、披露宴の一幕

「二人とも、おめでとう!」

「ありがとう」


 チャペルから今度は披露宴会場にやってきた花嫁花婿は大勢の人たちから祝福を受けていた。

 至るところに京都弁を話す人たちがおり、花嫁花婿もつられて京都弁に戻って話していた。


「京都弁だー」

「そのようですね。お二人は京都府出身らしいですよ」

「そうなんすか!?」


 初耳の事実に山田は驚いた。

 アニメやら漫画やらでたまに出くわす京都弁たが、生の京都弁を聞くのは初めてである。わくわくしながら京都弁を聞いている山田を微笑ましく思いながら水瀬が机からお盆に乗ったシャンパンを取った。

 そこへ一人の男性がやってきた。


「ホテリエさん、シャンパンをいただけますか」


 すかさず返事をした水瀬は、男性の方を見た。そこで、水瀬は目を丸くするのであった。


「こんにちは、ホテリエの水瀬さん」


 そこに立っていたのは京都府宮古病院精神科医、関野原健太郎であった。

 そういえば、花嫁の控室の外で招待客にいると聞いていた。が、実際に会うとびっくりするものである。


「これはこれは、関野原様。お久しぶりでございます。先の件ではご迷惑をおかけしました。また、感謝の限りです」


 水瀬はシャンパンを落とさない程度にゆっくりとお辞儀をした。


「その後、体調はいかがですか?」

「特には。ただ、念のためたまにですが通院はしています」

「そうですか。あそこの精神科医は親しみやすいでしょう?」

「えぇ。毎度毎度、お世話になっております」


 私の自慢の友人です、と健太郎が微笑んだ。


「しかし、まさか津和野様と関野原様がお知り合いだとは。先ほどお聞きして驚きましたよ」

「いやぁ、私もですよ。まさかあの二人がここで式を挙げるとは。世間は狭いですね〜」


 広い広い世界だと思っていたが、思いもよらないところで世間は狭いと知った二人であった。


 健太郎はシャンパンを持って自分の席に座った。

 今から本格的に披露宴が始まるのであるが、これまた大変なのである。

 「披露宴」という名をもつこのパーティー。もちろん、ムービーやケーキ入刀があるものの、これは披露宴(・・・)である。つまり、お色直しも付き物である。


 基本的に乾杯、ケーキ入刀、食事、歓談はチャペルの時同様のタキシードにウェディングドレスだが、その後にお色直しをし、余興やテーブルラウンドをするのである。


 * * *


 食事や歓談も終わり、主役二人はお色直しへ向かった。紅露が時間を確認し、スタッフたちを指示しながら進行を進めている。

 水瀬と山田は食器やらを片付けたり、新しい飲み物などを用意。白井は新婦のお色直しのお手伝いに向かった。


「山田さん、そちらのグラスをとってください」

「はい」


 結婚式のスタッフを初めてやる山田だが、水瀬の指示通りにテキパキと仕事を進めている。


(なるほど・・・山田さんはロビーアテンダントに向いていますね・・・)


 山田の仕事は凄まじいほどに早かった。しかし、一切雑ではない。記憶力がいい方ではないと自分でも言っていたのでしょっちゅうメモをとっているが、メモをとるべきか、とらなくても良いのかの判断がしっかりしている。


(やはり、紅露さんの見る目は一味違いますね)



はやく水瀬と白井の絡みが見たいですね・・・

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