41、混沌の言葉
水瀬たちは仕事をしながら茶髪で身長は百四十から百六十の女性を探すことにした。
もうホテルを出ていしまっているのなら元も子もないが今日のホテルでの朝食がネットに載っていたのでおそらくまだホテルから出てはいないなだろう。
しかし、茶髪の女性は山ほどいる。そして身長も曖昧なところがあるので探す範囲は二十センチと広範囲である。これですんなり見つかればそれは奇跡とも言えよう。
「なかなかプライバシーに関してしっかりしているようですね・・・」
「自分の顔にモザイクをかけるどころかそういった写真は一切投稿してないな」
支配人たちがネットの投稿を探り探り呟いた。
水瀬と白井は相変わらずアイドルグループのお供である。
あのような騒動があったもののここで企画を止める訳にはいかないとのことでスタッフやホテリエの人数を増やし厳重警戒にあたった。
アイドルグループが担当する医者夫婦もアイドルを労わりながら客として接してくれているため、水瀬も仕事がやりやすい。
「アイドルって大変なのね」
「そんなことないですよ。ホテリエの方だって大変ですし医者だって大変じゃないですか」
どうも水瀬の担当をする岳山と伊達は婦人と話すのが楽しいらしい。この三日間で水瀬より信頼を勝ち取っている。
アイドルだからか、やはり水瀬には笑顔が眩しくてたまらない。
「水瀬さん」
「はい?」
スタッフである櫻田が話しかけてきた。
水瀬はこの三日間で櫻田と仲良くなった。
「この企画、前回とても好評で次も落とせないんですよ。グループ全員、スケジュール詰め詰めで元気に見えるんですけどものすごく寝不足なんです。これ以上四人と番組に負担をかけたくないんです。どうか、早く犯人を見つけてください!勿論、スタッフも尽力しますので・・・!」
「・・・」
このスタッフは強くこのアイドルグループを推しているらしい。グループの四人の負担がなるべくかからないよう櫻田は頑張っている。
ホテリエと一緒にネットの投稿を熱心に見つめ、ヒントを探し出そうとしている。おそらくこれがスタッフの鏡なのだろう。
「ええ、勿論です。今日を除けばあと二日。我々ホテリエも力の限り頭をフル活用します。結果がどうなるかは分かりませんがこの企画が何事もなく放送できるよう尽くします」
「あ、ありがとうございます・・・!!」
これでも修羅場は多く体験してきた。その果てにドッとくる疲れが待っているがそんな後のことは置いておいて今はとにかくこの企画をちゃんと通せるようにアイドルグループ四人組を守り抜くしかない。
「もし、メンヘラストーカーでも現れて包丁でも持っていても安心してください」
「え?」
「私が対処しますので」
「え、いや・・・そこまでは・・・」
流石に櫻田はそこまでは思っておらず驚きの水瀬の言葉に唖然としていた。
「流石にそんな人はいないんじゃ・・・」
「分かりませんよ」
「え」
「世の中、何が意外なものになるか分かりませんからね」
冷えた水瀬のたった一文に櫻田は寒さと孤独さを感じた。
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