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Wine・Red  作者: 雪白鴉
三章
35/70

33、アルコールの水瀬と炭酸の石川

 いよいよ、メロンパンカップルがさようならする日がやって来た。ちょっと安心した水瀬と石川。


いつものように仕事を始めようとした水瀬と石川にメロンパンカップルのさっくんともっちぃーが話しかけてきた。


「あのぉー、ここらへんで美味しくて映えるスイーツ、売ってるとこ無いですかぁ?」


こうやってお客様が希望する場所を探しあてるのもホテリエの仕事だ。


「東町通りにあるTWINKLE―Qというカフェテリアがおすすめです。きらびやかすぎもなく壁や天井までおしゃれに飾られた外見とお店の雰囲気にあった特製のスイーツが揃っています。見た目だけに重視しているわけではなく、味の評判もかなりいいと聞きます」

「へぇ〜、そうなんだぁ〜」

「若者に人気でして、SNSにも動画や写真が多く投稿されています」

「もっちぃー、見て。めっちゃお洒落だよ」

「ホントだぁ〜!!ここにしよっ!!」


水瀬の紹介したカフェテリアを気に入ったようで、二人はそのカフェテリアに向かった。


「先輩ってカフェ巡りとかするんですか?」

「なんでそう思うんです?」

「だって物知りじゃないですか」


確かに先ほどの水瀬の的確な店の紹介はカフェが好きな人かもと感じられる。

ただ、だからといって別に水瀬はカフェに行かない。どちらかと言うとバーに行く。


「ああいうことも聞かれるので近場のお店や通りの名前、その特徴など知っておかないといけないんですよ」

「そんな俺、覚えられないですよ・・・」


もちろん、すぐに覚えられるものではない。やはり、経験こそ一番。人は経験して覚えていく生き物なのである。


「でも、SNSの情報とか凄いですね。スマホで見るんですか?」

「いえ、SNS等のアプリはあまり入れていないもので」

「え、じゃあなんで・・・」

「今回が運が良かっただけです。この前、女性の同僚が話しているのを覚えていただけですよ」

「なるほど〜」


水瀬の記憶力に感心した石川であった。


「ていうか、TWINKLE―Qって、なんか名前すごくないですか!?」

「確かに。最初私もそう思いました」


TWINKLE―Qというカフェテリアの名前を聞いて名前が凄いことに石川は引っかかっていた。


「TWINKLEはなんとなくわかるんですけどQってなんなんですか?」

「たしか、QUEENという意味だったような気がします。内装を調べて見たところ、お城っぽいところがあって女王感を演出したのかと」

「なるほどー」


なんとなくQの意味がわかった石川だった。


「先輩ってカフェ好きですか?」

「え?」


今の話からちょっと疑問が浮かび上がったので水瀬に聞いてみた。

しかし、どう見ても水瀬はカフェ感が無い。どちらかというと、やはりバーテンダーやってそうな感じがする。


「べつに嫌いというわけではありませんよ。ただ、砂糖よりアルコールのほうが好きなだけですね」

「アルコール派ですか〜」


そんな感じがしていて、やはりと思った石川はミステリアスな水瀬なことがちょっとわかったような気がした。


そういう石川はアルコールに弱いのであまり飲まないようにしている。飲み会や同窓会などではいつもジンジャエールなどの炭酸を飲み漁っている。飲めないわけではないがすぐに酔って立てなくなるのでアルコールを抑えているだけである。


「身体に良くないのはわかってるんですけどねぇ。時々飲みたくなるんですよ」

「やっぱりワインを飲まれるんですか?」

「えぇ。一応、資格は持ってませんがここのホテルのソムリエみたいな立場ですからね」

「そういえばそうでしたね」


二人はしばしば無駄話を楽しんだ。



今やノンアルコールですね!

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