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Wine・Red  作者: 雪白鴉
三章
30/70

28、なでなで効果

 早番で仕事にやって来た水瀬は白井と入れ替わるように仕事を終えた。


ようやくのびのびゴロゴロできると思っていたが、宮河から連絡が入った。


ーちょっと家来てくれるか?ー


なぜ?

という感想しか出てこない。それに、宮河はもう水瀬の住むアパートの前に来ているらしい。水瀬を連れて行く気満々だ。


水瀬は宮河を待たせてはいけないと急いでアパートまで走った。


アパートの前にはちゃんと宮河の車があり、車の外では宮河が腕時計を見ながら立っていた。


「宮河。」

「おっ、(あき)〜。遅かったな。今日早番だろ?」

「ちょっといろいろとあって。」


水瀬は宮河を部屋に上げた。友達を外で待たせるわけにもいかない。 


「水でいい?」

「できれば味が欲しい。」


水瀬は宮河に麦茶を出した。


「で、なんの用?」

「あ〜、俺じゃなくって子どもだよ。用があるのは。」

「宮河の子ども?」

「そうそう。」


宮河には三歳の娘がいる。まだそんな年齢ではないが、娘の反抗期を気にしている。


「なんか知らねぇけど朝陽(あさひ)ってお前のこと好きなんだよなぁ。」

「そうなんだ。」


宮河の娘の名前は朝陽。母親に似て元気いっぱいの女の子である。


「朝陽に暁が早番で今日は早く仕事が終わるって話したら一緒に遊びたいんだとよ。」

「なるほどねぇ・・・。」


たまに水瀬も宮河の家にお邪魔する時がある。その時に良く朝陽と遊ぶ。まだ三歳のため、そこまで話が通じないがなんとなく朝陽に話を合わせるようにしてまいどまいど、やり繋いでいる。


「今回ばかりは断ってもらっても良いんだ!仕事終わりで疲れてるだろ?」

「・・・まぁ、多少ね。」


確かに最近は特に疲れ気味の水瀬だが、恥ずかしながら白井のなでなでによりちょっと緩和されたときがある。


まだ朝陽と遊ぶ程度の体力は残っていた。

 

「いいよ。わかった。行こうか。」 

「本当か!?」

「うん。」


水瀬はコップを片付け、冷房を切り宮河と車へ向かった。

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