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令嬢は洞窟に行くようです

一通り冒険者登録が済んだ私はとりあえず、できそうな依頼を探すことにした。


「なあ、嬢ちゃん、登録は終わったか?終わったよな?じゃあ、俺たちと一緒に組まねえか?」


突然、後ろから3人組のパーティーの1人が話しかけてきた。パーティー全員の見た目は30歳から40歳。1人は190センチ程あり、もう2人は160センチ程だ。

彼らの装備は所々メッキ部分が剥がれている。かなり使い込まれている。冒険者歴が長そうだ。 


「どちら様でしょうか?」

「俺はランクCの冒険者ガルキア様だ!」


そう言って、ガルキアと名乗った男は胸を張り、腰にさげた剣を振り回した。


「ちょっと、待ちなさい、ガルキア。彼女、新人よ。新人いじめをするのは良くないってあれほど…...」


「あぁー、うっせえハニカ。いいだろう?ちょおっとゴブリンの討伐に行くだけだよ」


そんな会話を聞いて、カウンターにいた冒険者たちが噂する。


「あー、彼奴ら、また新米いじりしてる」 


「今月でもう4度目、あいつ覚えているか…あの帽子被ってたちっこい小僧」


一人の男は呟く。


「ああ、覚えている。可愛かったな。で、彼奴がどうなった?」


同じくカウンターに座っていたもう一方の男が楽しそうに訊く。


「それがな…………死んだんだってよ」


男が、溜めて言った。二人は顔を見合わせ、驚いた表情を浮かばせ、その後、


「「…...ぎゃあははははは!!!!!!」」


「あー、おっそろしー。今度はあの嬢ちゃんか」


男たちはそのあとも「彼奴は、うざいとか」人の嫌なところを摘まみだしては笑っていた。


「はあ、お昼から、本当にありえない!酔っ払いすぎにも程があります!!」


頰を膨らませた後、ハニカさんは男2人を睨む。


「っひぃぃぃーー、おい!あっちで飲もうぜ」

「ああ、おっかねぇー。良いじゃねえか。ちょっとくらい…」


一体ハニカさんはどんな顔をしていたんだか。


振り返った時にはもう普通通りだった。


「いつもはこんなに荒れていないんですけどね。サルビアさん、気にしないで同行させてもらったら、どうですか?あの人たちのことは、…きっと…多分大丈夫です!」


ハニカさん、本当に大丈夫なんでしょうか? 


「それに、サルビアさんならなんとかなりますよ。どどーんとやっちまってください!」

「そんな簡単に言われても…」

「まあ、ハニカもそう言っているんだしな!!なぁ、いいだろう?」

「ええ」


何でしょう?口には出しませんが、小物感が漂ってくるんですよね。嫌な予感が……。

絶対大事な処で裏切るタイプのやつですよね。

これは、逆に一人の方が安心なのでは?


ですが、初めてですし…誰かと一緒に入るほど心強いことはないですもの。


「よろしくお願いします…...」


ゴブリン退治…。ゴブリンは、筋肉質ですし。実は、身がしまっていてサシが美しい。

あぁ、想像すると少しよだれがでてしまう。


男3人は私の不自然な様子に気づかぬまま、薄ら笑いを浮かべていた。


これから起こりるだろう私の悲劇をほくそ笑みながら…。



読んでいただきありがとうございます!


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