1ブロック目:ようこそpixelの世界へ
七月七日夜7時ごろ
「チップ全部くれない?」
「む、無理だよぉ、し、死んじゃうよぉ。」
「別に君みたいな将来のない奴なんて、死んでいいんじゃないかい?」
「ば、馬鹿言うなよぉ、星5武器も、当てたことあるんだぞぉ。」
「知らねぇよ。」
ぴりついた空気が流れる。
「わかった、わかったから、でも全部は嫌だよぉ、十枚で許してくれぇ。」
「もうわかんないなら、完全体になりな。」
キュンという軽いおもちゃのような音。
それと同時にその音の周りからどんと、重い空気が流れる。
バラバラバラ
語尾を伸ばす男はpixelになり、バラバラに地面に転がっていった…
七月八日昼3時ごろ
「ただいまニュースが入ってきました。」
俺がテレビに目を向けると、そこでやっていたのは最近よくみるニュースであった。
様々な色の立方体で人のような模型になっていることから名付けられたこの事件。
「人間バラバラアート」
そう世間では言われている。
「またこのニュースか。」
そうつぶやいて、家からスーパーに向かった。
七月八日夜
メモを忘れて二回往復した俺は疲れ果てていた。
「こんなに買うんじゃなかったな。」
そう独り言を言っても、持ってくれる人もいないし、頑張って運ぶしかなかった。
「ん?」
俺が見かけたのは銃の形をしたおもちゃであった。
「なんじゃこれは?」
持ち上げて見て見たり、地面に置いてみたり、いつもは反応しないようなおもちゃであったのに、なぜかもっと触れたいとか思ってしまう。
ザッザッ
後ろから足跡がする。
「これ君の?ごめんね、もう落とすなよー。」
そう言って振り返ると、少し痩せた白髪のその高い青年が立っていた。
「君、その銃に触れちゃったね、あーあ、めんどくさいことになったなー。」
何を言っているんだこいつは?そしてこいつから少しばかりの殺気を感じる。
「まーとりあえず
pixelの世界にようこそ!」
その青年は威勢のいい声で僕にそう言った。
この合図が今までの世界と、これからの世界の節目になったことだろう。




