表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

格安物件    他7篇


【消しゴム】


 勉強ばかりやっていると、すぐに消しゴムが小さくなってしまう。

 気晴らしがてら外に出て、文房具店に行った所、なくならない消しゴムというのが売っていたので、興味を持って店員に訊いてみた。

「ここに、なくならない消しゴムと書いてあるが」

「お客さん、お目が高いですね、お買いになりますか?」

「うむ、買ってみよう」

「まいどあり! 早速、同期させますね!」

 言うと店員は素早い動作で、私の髪の毛を1本抜いた。

「いたっ、同期だと? 一体その消しゴムはどういう原理でなくならないんだ」

「ワラ人形ですよ」

「ワラ人形?」

 作業を終えた店員が消しゴムを机に擦り付けると、私の右手中指の爪の先が消えてなくなった。

「どうぞお大事になさってください、死ぬまで一緒にいる物ですから……」



【踏切り】


 「こら! 踏切が降りるのに、通ったら危ないぞ!」

 言いながら男は線路へ飛び出して、電車を止めようとした。



【星座占い】


 朝、妹がテレビの星座占いを見ていた。

「えー、今日は私12位だ。学校に行くのやめようかなあ」

「星座なんかで人の運勢がわかるわけないだろ」

 兄が言った。

「全く、これだからO型は」



【長靴をはいた猫】


猫「いやあ、昨日は長靴を食べ過ぎてしまってね」



【クレーム】


 買ったニット帽に穴が開いていたので、俺は店にクレームを付けに行った。

「大変申し上げにくいのですが、お客様」

 店員が言った。

「これはネックウォーマーでございます」



【トイレ】


 駅のトイレが壊れていて、<水が出ないので使用禁止>との貼り紙が貼ってあった。

「水なら俺がかけてやるよ」

 男は小便をした。



【誕生日】


「誕生日おめでとう!」

 彼氏が彼女に向かってそう言うと、

「しっ! 大きな声で言わないでよ!」

 慌てて彼女は彼氏の口を塞いだ。

「な、何で言っちゃいけないんだよ」

「パスワードがバレるでしょ!」

 


【格安物件】


 できるだけ安い物件を探していた。

「でしたらこちらのお部屋は、家賃が0円となっております」

「おお、それは素晴らしいじゃないか。だが、何か0円なだけの理由があるんじゃないか?」

「そうなんです。実はここ、同居人の方がいらっしゃるんです」

「なるほどな、ルームシェアってやつか。安いのも道理だ。それでも、家賃は払わなくていいんだろう? 多少の我慢はするさ。よし、そこに決めた」

「ありがとうございます。ただ、一つだけ申し上げたいことが」

「なんだ?」

「家賃のお払いは必要ありませんが、同居人をお祓いする事をオススメします……」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 長くつ吐くなら食うなよw [一言]  格安だったので、  俺は嫁と格安物件へ引っ越した。 「なんだ。何も起きないじゃないか……」 「あなた? いつから私が見えるようになったの?」 「えっ!…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ